「土は囁く ‐Voix de la terre‐ 」 IZOOMIの作品展 掘り起こされた銅版が描く、人と土のものがたり Bunkamura Wall Galleryで12月8日まで

展覧会名:「土は囁く ‐Voix de la terre‐」
会場:Bunkamura Wall Gallery(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)
会期:2022年12月2日(金)~8日(木)
開館時間:10:00~19:00
詳しくはBunkamuraの紹介ページ(https://www.bunkamura.co.jp/gallery/exhibition/wall_221202izoomi.html)へ。

アーティスト、コラムニストとして活躍中のIZOOMI(ももせいづみ)のユニークな銅版画の展覧会です。コロナ禍で往来が難しくなった2020年から22年にかけて行われたプロジェクトで制作された作品を紹介します。フランス、ベルギー、アメリカ、韓国など8か国、29の都市で、現地のアーティストの協力を得てIZOOMから送られた銅板、計49枚が土の中に埋められました。

そのうえで、数か月後に掘り出し、日本に送り返してもらいました。一部紛失などがありましたが、43枚が戻りました。それぞれの銅板は各地の土や水、生き物などの作用で腐食しており、その銅板で銅版画を作成。埋めた人の書いたその場所の物語とともに、作品を展示します。展示作品の一つのストーリーを紹介します。

popolino(ビデオアーティスト・フォトグラファー・翻訳家)
埋めた場所:ブダペスト、ハンガリー ドナウ川の川岸

10か国以上を流れるドナウ川。人々の繋がりと発展、そして悲劇をたたえています。銅板を埋めた場所のほど近くでは、かつてナチスにより、ユダヤ人の人たちが水面に向かって銃で撃たれました。川岸で愛を育む恋人たちとすれ違いながら、今は使わていない駅の廃墟付近で、愛犬ふうちゃんがクンクンした場所を選んで埋めました。ドナウは、そこにいる人の心を映し出します。私にとっては流れる水面を眺めながら内省する場所でした。“もののあわれ”の人生を想いながら。そんなドナウの河畔の土の中で、銅板は眠っていました。

IZOOMIは「銅板一枚一枚にこめられた埋め手の記憶や風景が、刷り上がった板に浮かび上がってくるのを感じます。コロナで旅行も、人との交流も建たれた2年という時間の中で、一枚の銅板がつなぎ続けたもの。土が囁く物語を、ぜひご覧いただければ幸いです。」とコメントしています。

IZOOMIのオフィシャルサイト(https://www.izoomi-m.com/art-works-top-japanese

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)