【開幕】「兵馬俑と古代中国」上野の森美術館で来年2月5日まで 兵馬俑や副葬品で古代中国の謎にせまる

日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~
会期:2022年11月22日(火)〜2023年2月5日(日)
会場:上野の森美術館 (東京都台東区上野公園1-2 )
開館時間:9:30~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般:2,100円/高校・専門・大学生:1,300円/小・中学生:900円
休館日:2022年12月31日(土)、2023年1月1日(日)
アクセス:JR 上野駅 公園口より徒歩3分
詳しくは展覧会公式サイトへ。

今年3月に京都で始まった「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」。静岡、名古屋を経て、待ちに待った東京展が上野の森美術館で開幕しました。来年2月5日(日)まで開催される本展では、日本初公開の将軍俑をはじめ、陝西省(秦「兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」漢両帝国の中心地域)の出土品を中心に約200点を紹介します。

精巧で個性豊かな兵馬俑

《戦服将軍俑》 統一秦 高さ196cm 秦始皇帝陵博物院蔵 一級文物(日本の国宝にあたる中国の文化財)
ともに秦始皇帝陵博物院蔵 一級文物【左】《立射武士俑》 統一秦 高さ178cm 【右】《跪射武士俑》 統一秦 高さ122cm

本展最大のみどころは、「第Ⅱ章 統一王朝の誕生―始皇帝の時代」。高さ196センチの「戦服将軍俑」など始皇帝陵を守る兵馬俑がズラリと並び、スケールの大きさに圧倒されます。指先のしぐさや鎧など細部まで精巧で、今にも動き出しそう。一体一体の表情に個性があり、始皇帝に仕えた将軍や武官がかつて実在したことが、リアルに伝わってきます。

兵馬俑の変遷をたどる

兵馬俑が等身大の姿で作られたのは、わずか15年で崩壊した秦の統一王朝の時代だけ。統一前の秦や漢の兵馬俑は、サイズが小さく、表情もデフォルメされていました。本展では兵馬俑の変遷をたどりながら、「始皇帝はなぜ等身大でリアルな兵馬俑を作ったのか」という謎に迫ります。

《騎馬俑》 戦国秦 咸陽市文物考古研究所蔵 一級文物
《彩色騎馬俑》前漢 咸陽博物院蔵

出土品が示す古代中国の暮らし

兵馬俑以外にも見どころが満載です。肉や魚を煮るための器、鹿や虎を描いた瓦、墓守の役目をした一角獣…出土品や副葬品からは、古代中国の人々の暮らし、価値観がうかがえます。

《彩色一角双耳獣》漢 永寿県博物館蔵

充実のグッズ売り場

兵馬俑を現代風にアレンジしたグッズも魅力的。文房具やバッグ、クッションなど、日常が楽しくなりそうなアイテムが充実しています。

京都展で購入したグッズの開封記事はこちら

「日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~」は上野の森美術館で11月22日(火)から来年2月5日(日)まで。東京展限定でナビゲーター&音声ガイドを務めるのは、谷原章介さんです。インタビュー記事はこちらをご覧ください。


(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)