釈迦の弟子、鮮やかに…東福寺「五百羅漢図」、300年ぶりの大修理終える

大修理を終え、法要に合わせ掛けられた「五百羅漢図」(15日、京都市東山区の東福寺で)=河村道浩撮影

東福寺(京都市東山区)の「五百羅漢図」(重要文化財)が約300年ぶりの大修理を終え、境内で15日、記念の奉告法要が営まれた。

 「画聖」と称された室町時代の絵仏師・ 吉山明兆きっさんみんちょう (1352~1431年)が3年以上かけて1386年に完成させた全50幅(縦約170センチ、横約90センチ)。五百羅漢は釈迦の弟子500人のことで、仏教説話などを基に1幅に10人ずつ描かれている。

 大修理は1699年以来。寺に現存する45幅、江戸初期に狩野派の絵師が復元した2幅の計47幅を、2008年から14年かけて水墨と極彩色が調和した鮮やかな姿によみがえらせた。事業費は約6億7000万円。東福寺の永井慶洲・宝物殿管理室長は「躍動的な動きが一つ一つ表現され、色彩もきれいになった」と話していた。

 所在不明で新たに復元した1幅と根津美術館(東京)所蔵の2幅を含む全50幅は、来年開催の特別展「東福寺」(読売新聞社など主催)で公開される。会期は東京国立博物館が3~5月、京都国立博物館が10~12月。

(読売新聞より)