週末いきたい 国宝が見られる美術展・展覧会8選

この秋、東京国立博物館150年を記念してトーハクが所蔵する89件すべてを展示する特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」が開催されています。しかし、日時指定制のチケットは人気が高く、行きたくても行けない人もいらっしゃることでしょう。もちろんまとめてたくさんの国宝(国宝展では一度に60数件)を鑑賞できるのは素晴らしいですが、国宝を一つ一つじっくりと鑑賞するのもよい体験になるでしょう。国宝が展示されている全国の美術展・展覧会を紹介します。
「西行―語り継がれる漂泊の歌詠み」五島美術館
五島美術館(東京・世田谷)で12月4日まで開催されている特別展「西行―語り継がれる漂泊の歌詠み」では、東博の国宝展で前期前半に展示されていた国宝「平治物語絵巻 六波羅行幸巻」(東博蔵)が11月15日~11月27日に展示されています。
本展では、ほかにも西行筆の国宝「僧円位書状」(金剛峯寺蔵)や西行筆の国宝「一品経和歌懐紙」(京都国立博物館蔵)も展示されています。
「将軍家の襖絵」根津美術館
根津美術館(東京・南青山)で12月4日まで開催中の「将軍家の襖絵―屏風絵でよみがえる室町の華―」では、11月20日までの前期期間に、中国花鳥図の名画、国宝の「鶉図」李安忠[伝]筆(根津美術館蔵)が展示されています。
「京に生きる文化 茶の湯展」京都国立博物館
入れ替えを含めて会期中に23件の国宝が展示されている京博の茶の湯展も圧巻の内容です。
通期では、国宝「井戸茶碗(銘 喜左衛門)」(孤篷庵蔵)、国宝「志野茶碗 銘 卯花墻」(三井記念美術館蔵)、国宝「青磁鳳凰耳花入 銘 万聲(ばんせい)」(和泉市久保惣記念美術館蔵)、国宝「青磁下蕪花生」(アルカンシェール美術財団蔵)、国宝「玳玻天目茶碗 」(相国寺蔵)など。
11月8日から12月4日までの後期には、国宝「古林清茂墨蹟 月林道号」(長福寺蔵)、国宝「林檎花図」伝 趙昌筆(畠山記念館蔵)、国宝「清拙正澄墨蹟 遺偈(棺割の墨蹟・毘嵐巻)」(常盤山文庫)などが並んでいます。
「武家政権の軌跡-権力者と寺」相国寺承天閣美術館
京都の相国寺承天閣美術館では「武家政権の軌跡-権力者と寺」展が12月11日まで開催。国宝「無学祖元墨蹟 与長楽寺一翁偈語」(相国寺蔵)が展示されています。
「服部一郎生誕90周年記念 名物 記録と鑑賞」サンリツ服部美術館
サンリツ服部美術館(長野県諏訪市)で12月4日(日)まで開催されている「服部一郎生誕90周年記念 名物 記録と鑑賞」では、国宝「白楽茶碗 銘 不二山」本阿弥光悦(サンリツ服部美術館蔵)が展示されています。
「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」静嘉堂@丸の内
世田谷から移転オープンした静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)で12月18日まで開かれている「響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」は後期に入りました。前期は所蔵する7件の国宝すべてを展示していましたが、後期は、国宝「曜変天目(稲葉天目)」、国宝「手掻包永(太刀 銘 包永)」、国宝「倭漢朗詠抄 太田切」、国宝「与中峰明本尺牘」趙孟頫(いずれも静嘉堂文庫美術館蔵)が引き続き並びます。
「国宝高野山金剛峯寺展」愛媛県美術館
愛媛県美術館で11月20日まで開催の「弘法大師空海誕生1250年記念 国宝高野山金剛峯寺展」では、空海筆の国宝「聾瞽指帰」、国宝「諸尊仏龕」、運慶作の国宝「八大童子立像」のうち恵光童子像と烏倶婆誐童子像など、高野山・金剛峯寺の至宝が展示されています。
「よみがえる川崎美術館展」神戸市立博物館
12月4日まで神戸市立博物館で開かれている「よみがえる川崎美術館 ―川崎正蔵が守り伝えた美への招待―」では、11月15日から川崎美術館コレクションの白眉とされる国宝の「宮女図(伝桓野王図)」が展示されています。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)