ビーズでめぐる過去・現在・未来 「ビーズ ―つなぐ かざる みせる 国立民族学博物館コレクション」(渋谷区立松濤美術館)

国立民族学博物館のコレクションでビーズの魅力に迫る「ビーズ ―つなぐ かざる みせる 国立民族学博物館コレクション」が渋谷区立松濤美術館で開幕しました。
ビーズは、さまざまな部材に穴を開け、糸などでつないだ人類最古の装飾品のひとつ。本展は、古今東西のビーズが大集合し、美しく、時に力強い魅力を放つビーズを通して、世界の環境、文化、歴史の違いと多様性を紹介します。
我々日本の生活や文化におけるビーズといえば、ブレスレットやネックレス、バッグなどにあしらわれたガラスやプラスチック製を想像します。装飾品として煌びやかなイメージがありますが、それだけがビーズではないということを本展では多角的に知ることができます。世界を見渡すと、ビーズは驚くほど多様な素材でつくられていて、その素材は鳥の羽根のように鮮やかな素材はもちろん、植物、卵殻、さらには動物の歯や骨、ウロコなどなど、まさに人類の歴史をひもとく一部としても役割を担っているようです。
展示作品の多くは大阪・国立民族学博物館所蔵の資料から。オセアニア、アメリカ、アフリカ、アジア等でつくられた世界のビーズが一堂に会するコーナーでは、一粒のビーズに凝縮された世界各地の文化、歴史、思想が体感できます。
もちろん、ビーズという響きから連想される美しい作品も並びます。「ガラスの道」のセクションでは、古代オリエント、ヴェネツィアなどでつくられたガラスビーズを紹介。さらに現代日本のビーズ産業についても紹介するとともに、日本の現代作家によるビーズ作品も展示されています。
本展では、ビーズから過去の人々の生活風景や現代における装飾としての麗しさなど、多様な一面を垣間見ることができます。2023年1月15日まで。