【プレビュー】江戸時代から現代までの風景画を一堂に――山種美術館で特別展「日本の風景を描く ー歌川広重から田渕俊夫までー」 12月10日から

日本の風景を描く ー歌川広重から田渕俊夫までー
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会期
2022年12月10日(土)〜2023年2月26日(日) -
会場
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観覧料金
一般1300円、高校・大学生冬の学割500円、中学生以下無料ほか。
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休館日
月曜休館、ただし1月9日は開館し、1月10日が休館、年末年始は12月29日~1月2日が休館
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アクセス
JR恵比寿駅西口、東京メトロ日比谷線恵比寿駅2番出口から徒歩約10分 - カレンダーへ登録
※前期(~1月15日)、後期(1月17日~)で一部展示替えあり
※詳細情報はホームページ(https://www.yamatane-museum.jp/)で確認を。
四季折々の豊かな自然に恵まれた日本。人々はその姿をさまざまに表現してきた。日本画専門の美術館である山種美術館。今回の特別展は、日本の風景や自然を題材にした作品に焦点をあて、江戸時代から現代までの画家たちが描いた作品を紹介する。


古くから画題となってきた日本の風景。特に街道が整備された19世紀、江戸時代の後期には、庶民の間にも旅に対する関心が増して、日本各地の宿場や名所を捉えた歌川広重の浮世絵風景画などが高い人気を得るようになった。広重の《東海道五拾三次》や《近江八景》は、叙情味豊かにそれらの風景を描き出したものだ。


西洋の写実的な風景画が日本にもたらされた明治時代、日本各地の風土への関心も高まったこともあり、目の前に広がる身近な自然が描かれ始めた。戦後になると抽象的な表現も取り入れられ、風景画の技法も多様化していった。自然とともに日常を営む人々を取材した川合玉堂の《早乙女》は俯瞰で見た田植えの風景を描いた作品。現在の日本画壇の第一線で活躍する田渕俊夫の《輪中の村》は、送電塔の立つ農村風景という現代的な情景を描き出したものだ。


石田武の《四季奥入瀬》の連作全4点の同時展示は、作品が発表されて以降初めて。なかでも、春と夏を描いた《四季奥入瀬 春渓》と《四季奥入瀬 瑠璃》の展示は37年ぶりという。この他、山元春挙《火口の水》、 横山大観《春の水・秋の色》、 東山魁夷《白い壁》など、「これぞ日本の風景画」というべき、大家の作品も数多くそろっている。
