藤原道長役は柄本佑さん 2024年の大河ドラマ「光る君へ」 吉高由里子さんの紫式部と生涯の“ソウルメイト”に

吉高由里子さん演じる紫式部が主人公となる2024年の大河ドラマ『光る君へ』で、重要なカギを握る藤原道長役が柄本佑(えもと・たすく)さんに決まりました。NHKが11月8日、発表しました。

柄本佑さん(撮影 須藤秀之)

今作の脚本を担当する大石静さんの構想では、道長と式部(ドラマでの名前は「まひろ」)は幼い頃に出会い、身分差があるものの、その心は生涯離れることのないできないソウルメイトとして繋がり、互いの人生を見つめあう関係となる、という設定。まひろ(式部)が「源氏物語」を創作するにあたっても、道長への想いがあの豪華絢爛たる恋愛ストーリーの原動力のひとつとなった、という重要な人物となります。

かたや世界の文学史に燦然と輝く名作を残し、一方は政治の世界で並ぶものの無い権力を手にした二人。接点があったのは史実通りですが、ドラマの中でどのようにまひろ(式部)と道長の人間関係が描かれるのか、大いに興味を引きそうです。

◆柄本佑(藤原道長役)コメント
道長さんについては今、鋭意調査中でありますので(笑)具体的なことはあまり言えないのですが、時の権力者という言い方をすると、ちょっと堅くて怖かったりするイメージがありますが、本当に末っ子でのんびりと育った人物のようです。ですので、みなさまがイメージされているような道長像ではなく、もうちょっと人間味と奥行きがあるように、また、年齢によっても違った表情を見せていけたらと思っています。この長丁場の撮影なので、とにかく健康面に気をつけたいと思っています。
(プロフィール) 1986年東京都出身。2003年、映画『美しい夏キリシマ』で主演デビュー。同作で第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞 ほかを受賞。2019年には主演を務めた3作品『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『きみの鳥はうたえる』、『ポルトの恋人たち 時の記憶』で第73回毎日映画コンクール男優主演賞などを受賞した。近年の主演映画に『火口のふたり』、『痛くない死に方』、 『先生、私の隣に座っていただけませんか?』、ドラマでは連続テレビ小説「あさが来た」、「スクラップ・アンド・ビルド」、「心の傷 を癒 いや すということ」、「空白を満たしなさい」(NHK)、「知らなくていいコト」、「初恋の悪魔」(日本テレビ)、「天国と地獄~サイコ な2人~」(TBS)などがある。大河ドラマは2007年の「風林火山」、2019年の「いだてん~東京オリムピック 噺 ばなし ~」に続き3 回目の出演
吉高由里子さん
◆吉高由里子(主演・紫式部/まひろ役)コメント
道長役が柄本さんで本当に心強いな、という気持ちがまず始めに来ました。柄本さんとは他局のドラマでご一緒させていただいたことがあって、台本を読んでいるときには想像もしないようなお芝居をその場でされる方なので、それに対するリアクションがすごく楽しい1クールだったんです。今回も台本がどうやって具現化されるのか、というのを1年間そばで見られるのが楽しみですし、前回の共演のときもいろんな刺激をいただいた方だったので、今回もまひろにとって“心の最果ての人”になるというのがすごくありがたいことだなと思っています。
大石静さん

◆作者・大石静さんのことば

 柄本佑さんが、どんなキャラクターも鮮やかに演じ分ける、当代一の演技派であることは、誰もが認 める所です。道長役を引き受けていただき、本当にホッとしました。 先日、書道のお稽古で久しぶりに柄本さんと会いましたが、そのスラリとした体形と、さりげなく何げ なくあふれ出す色気が半端なく、うっとりしました。
教科書にも載っている「この世をば~」の歌一首により、藤原道長は腐りきった貴族社会の代表のよう に認識されていますが、見方を変えれば、権謀術策渦巻く宮廷にあっても、争いを嫌い、話し合いによ る平穏を求め続け、国風文化を育てた優れた政治家であったとも言えます。道長がいなければ、もっと 早く貴族社会は崩壊し、暴力的な武士の時代になだれ込んでいたでしょう。 その道長の女の心も男の心も惹きつける魅力を、柄本さんがどんな風に表現してくれるか、楽しみで なりません。
最初の制作発表の時にも言いましたが、紫式部と藤原道長はツインソウルで、宿命のふたりです。ネ タバレになってしまうので中身は内緒ですけど、稀代の政治家道長の唯一の弱点は、まひろ(紫式部)で した。彼女のこととなると、思わず軸がぶれてしまう生身の道長。 そのあたりもスリリングに切なく、吉 高さんと柄本さんに演じてもらいたいと思っています。 最高のカップル、どうぞご期待下さい。
◆2024年大河ドラマ『光る君へ』
【放送予定】2024年1月~
【制作スケジュール】2023年夏 クランクイン予定
【 作 】 大石 静
【スタッフ】
制作統括:内田 ゆき 松園 武大
プロデューサー:大越 大士 高橋 優香子
広報プロデューサー:川口 俊介
演出:中島 由貴 佐々木 善春 中泉 慧 黛 りんたろう ほか

(美術展ナビ編集班 岡部匡志)