【開幕】「惹かれあう美と創造 ─陶磁の東西交流」出光美術館で12月18日まで

色絵花鳥文八角共蓋壺 柿右衛門 日本 江戸時代前期 重要文化財 出光美術館

惹かれあう美と創造 ─陶磁の東西交流

日本有数の陶磁器コレクションを誇る美術館としても知られる出光美術館。約130件の陶磁器・工芸品によって、陶磁器の東西交流の歴史とその美しさを紹介する展覧会「惹かれあう美と創造」が10月29日(土)から12月18日(日)まで、出光美術館(東京・丸の内)で開催されています。

出光美術館の創設者・出光佐三(1885~1981年)によって蒐集が開始された陶磁器は古今東西、紀元前から近現代まで多岐にわたります。本展では、東アジアとヨーロッパの交流をうかがわせる陶磁器に加えて、世界中に流通していた中国・景徳鎮窯の陶磁器、独特の文様世界をもつイスラーム陶器などにも注目します。

色絵オランダ船文皿 景徳鎮窯 中国 清時代(オランダ デルフト絵付) 出光美術館

地域が遠く離れていながら、似た技法や文様、造形をもつ陶磁器。そこからは、人々が東西に交流を重ね、異文化を理解し、お互いの魅力的な文化に惹かれあったことで創造された”惹かれあう美” を見出せることでしょう。

青花龍濤文天球瓶 景徳鎮官窯 中国 明・永楽時代 出光美術館
青花牡丹唐草文水注 景徳鎮官窯 中国 明・洪武時代 出光美術館
白地刻線幾何文鉢 イラン 10~11世紀 出光美術館
金彩ガラス鉢 東地中海地域 前3~2世紀 出光美術館
色絵傘持美人文皿 古伊万里 日本 江戸時代中期 出光美術館
色絵紋章文皿 セーブル窯 フランス 18世紀 出光美術館
色絵樽乗西洋人物酒器 古伊万里 日本 江戸時代中期 出光美術館
三彩駱駝 中国 唐時代 出光美術館

また「美術」という概念が生まれた近代の日本でも、板谷波山や富本憲吉らが、東西の美の交流を感じとり、自らの作品に投影しました。こうした作品も紹介します。東西の文化交流が織りなす陶磁器の美の世界を豊富なコレクションで楽しむことができるでしょう。(読売新聞美術展ナビ編集班)