正倉院展は限定グッズが豊富!2か所の売場で楽しめる今年の注目グッズを紹介

漆背金銀平脱八角鏡の切り絵の御朱印

奈良国立博物館(奈良博)で「第74回正倉院展」が11月14日まで開催されています。正倉院展といえば、毎年、注目の宝物が新たに限定グッズ化されるので、正倉院展グッズのファンやマニアもいるほど。奈良時代の正倉院文様は、現代の私たちにも取り入れやすいデザインが多いのです。

ところで、正倉院展の限定グッズを販売している場所が2つあることをご存じでしょうか? 奈良国立博物館内のミュージアムショップ(館内の特設売場含む)と野外の特設売店「天平」の2つの店舗です。実はそれぞれ扱う限定グッズが異なっていますので、それぞれの今年注目の限定グッズを紹介していきましょう。

今年の「正倉院展」グッズの特徴は?

まず、最新グッズになった宝物は、どの宝物でしょうか。
今年の図録やポスターなどメインビジュアルを飾った宝物は、「漆背金銀平脱八角鏡 (しっぱいきんぎんへいだつのはっかくきょう)」。中央に宝相華文(ほっそうげもん)、その周囲に飛鳥、鳳凰、唐草文をあしらった美しいデザインの黒漆地に金銀飾りの鏡です。

そのほか、ろうけつ染の屏風「鸚鵡﨟纈屛風 (おうむろうけちのびょうぶ)」「象木﨟纈屛風 (ぞうきろうけちのびょうぶ)」や鳥形の飾り具「彩絵水鳥形(さいえのみずどりがた)」など、動物や生き物デザインの宝物が多い点が今年の特徴。

そのため、可愛いゾウや鳥デザインのグッズが豊富なのです。また、奈良県内の産業や企業、お店とコラボした商品もあります。

奈良国立博物館ミュージアムショップの注目グッズ

奈良国立博物館内に期間中に設けられた正倉院展グッズの特設売場。ここだけでなく、仏像館地下1階のミュージアムショップ内でも正倉院グッズの購入が可能

奈良国立博物館内には、正倉院展グッズ販売箇所が観覧後スロープを降りた先の「特設グッズ売場」と仏像館地下1階にある「ミュージアムショップ」の2か所あります。
ちなみに、仏像館地下1階のミュージアムシップは、観覧チケットが無くても入れるため、グッズの買い忘れがあった方やグッズのみ購入したい方はこちらがおススメ。
まずは、定番の限定グッズである「手ぬぐい」から。その年の注目宝物をデザイン化しています。今年は、写真の通り3種類あります。

「漆背金銀平脱八角鏡」「象木﨟纈屛風」「金銀平脱皮箱」の今年限定デザインの手ぬぐい

定番のトートバッグ、クリアファイル、栞も今年出陳の宝物デザイン

今年初めて登場した「御朱印」風の切り絵

漆背金銀平脱八角鏡の切り絵の御朱印

全国の社寺で「切り絵の御朱印」がブームですが、今年はなんと正倉院展の御朱印”風”の切り絵が初登場。あの細かい文様が散りばめられた「漆背金銀平脱八角鏡」が切り絵になっており、ため息が出るほど美しいのです。

今年初登場の飴

また、今までは羊羹や最中などの限定菓子が定番でしたが、今年は飴も初登場しました。
「漆背金銀平脱八角鏡」デザインの3種類の箱にそれぞれ、ゆず、抹茶みるく、いちごみるく味があります。

今年初登場グッズでおススメしたいのが、オリジナルの宝物も衣服の装飾に用いられたとされる「彩絵水鳥形」の刺繡ブローチ。原宝物には精緻な細工が施されていますが、このブローチの細かい刺繡も負けてはいません。

さらに、正倉院展の時期は、奈良公園の紅葉シーズンとも被るため、今年は新たに鹿と紅葉をあしらったアート作品のような羊羹が誕生しました。

野外にある特設売店「天平」

「天平」外観

昨年から登場した、野外の特設売店「天平」は今年で2年目。ポップな感じのネイルやピアスなどを扱っているのが特徴です。
注目は、正倉院宝物アクリルキーホルダーガチャガチャ(500円)。8種類の宝物のうち、正倉院を代表する定番宝物4種類、今年出陳の宝物4種類のキーホルダーがあります。

実際に筆者の子どもがガチャを回したところ・・・

今年注目の宝物「彩絵水鳥形」が当たりました!この限定ガチャガチャは、人気があり、列に並んで回すほど。小さなお子さんから大人まで盛り上がれます。

企業コラボの限定グッズが充実

さらに「天平」は、企業コラボグッズが豊富な点も特徴です。工芸をベースにした生活雑貨を扱う奈良の老舗「中川政七商店」とのコラボや今年初のフェリシモとのコラボ商品も並びます。

奈良の老舗「中川政七商店」との限定コラボグッズ
フェリシモのネイルシール

特に初のフェリシモからは、オシャレアイテムが充実。
正倉院宝物といえば、「螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)」や鏡類に施されている夜光貝の螺鈿(らでん)や玳瑁(たいまい、べっ甲)の華やかな装飾で知られています。
その煌びやかな螺鈿細工を指先に飾れるネイルシールや聖武天皇、光明皇后、孝謙天皇(聖武天皇と光明皇后の娘)が着用した冠に関わる「礼服御冠残欠(らいふくおんかんむりざんけつ)」(冠の残片)をモチーフにしたピアス(イヤリング)、髪飾りなど、天平の華やかさを身にまとえるのです。

地元奈良のお店の正倉院文様グッズや限定コラボ商品も取り扱っています。

こちらは、奈良・大和郡山市で40年営業している地元人お馴染みの奈良藤枝珈琲焙煎所の花鹿(正倉院宝物に描かれている花状の角をもつ鹿)マグカップとオリジナルブレンドです。

奈良の革製品ブランドで、正倉院文様の財布やバッグが人気の「革遊びHARUHINO」の新作も。

日本一の「くつ下」産地

今年の限定グッズのなかでとくにクローズアップしたいのは、くつ下です。
なぜなのか? 実は奈良県広陵町は、日本一のくつ下の産地で、その広陵町の企業とコラボした限定くつ下が、ミュージアムショップでも「天平」でも販売されているからです。

ミュージアムショップ(奈良博内の特設売場)で販売されている「くつ下」3種類
広陵町のSOUKIとコラボした「天平」で販売されている限定くつ下。なんと、シルクと和紙(吉野葛和紙)を使用したやわらかな肌触り

ちなみに、昨年もミュージアムショップの方では、くつ下を限定販売していましたが、会期の途中で売り切れるほどの人気を博しました。
昨年の正倉院展では「呉楽 笛吹襪(くれがく ふえふきのしとうず)」という、伎楽の笛吹が履いたくつ下も出陳されており、その柄のくつ下だったため、SNSで話題になったからです。
今年の「限定くつ下」も品質、デザインともにハイクオリティ。「奈良らしさ×正倉院展」を足元からも感じてみてはいかがでしょうか。
(ライター・いずみゆか)

第74回 正倉院展
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館
会期:2022年10月29日(土)〜2022年11月14日(月)
休館日:会期中無休
【観覧料金(前売日時指定券)】
一般券 2,000円 高大生券 1,500円 小中生券 500円
観覧には「前売日時指定券」の予約・発券(ローソンチケット)が必要です。当日券の販売はありません。博物館チケット売場での販売はありません。
詳しくは展覧会公式サイト(https://shosoin-ten.jp/)へ。