初めての大規模展覧会、特別展「東福寺」が来年3月から東京国立博物館で 10月から京都国立博物館で開催へ

開催時期に合わせて新緑と紅葉をそれぞれイメージしたという東京会場と京都会場のチラシ

特別展「東福寺」の報道発表会が11月2日、東京国立博物館で開かれ、来年3月~5月に東京国立博物館で、10月~12月に京都国立博物館で開催される展覧会についての概要や見どころが発表されました。

(左から)東福寺の岡根方春・寺務長、永井慶洲・宝物殿管理室長、 爾法孝・法務執事

紅葉の名所として知られる東福寺は、鎌倉時代に創建された京都を代表する禅寺のひとつです。同寺には、中国・南宋時代、鎌倉・南北朝・室町時代など古い禅宗にまつわる寺宝が多く伝わっていますが、「東福寺」の大規模展覧会は意外にも初めて。

国宝 無準師範像 自賛 中国 南宋時代・嘉熙2年(1238) 京都・東福寺蔵
※展示期間 東京会場:3月7日(火)〜4月2日(日) 京都会場:10月7日(土)〜11月5日(日)
国宝 禅院額字幷牌字のうち方丈 張即之筆 中国 南宋時代・13世紀 京都・東福寺蔵
※展示期間 東京会場:3月7日(火)〜4月9日(日) 京都会場:10月7日(土)〜10月22日(日)

見どころの一つは、江戸時代までは雪舟と並んで「画聖」と評価された伝説の絵仏師・明兆(みんちょう、1352-1431年)が描いた大作「五百羅漢図」(重要文化財)。全50幅のうち東福寺に45幅、根津美術館に2幅が現存しており、復元した3幅と合わせて全幅を本展で初公開します。

重要文化財 五百羅漢図のうち第1号幅 吉山明兆筆 南北朝時代・至徳3年(1386) 京都・東福寺蔵
※展示期間 東京会場:3月7日(火)〜3月27日(月) 京都会場:10月7日(土)〜10月22日(日)

さらに、3メートルを超える規格外のスケールを誇る巨大な観音図「白衣観音図」(重要文化財)や画業円熟期の傑作「達磨・蝦蟇鉄拐図」(重要文化財)など、明兆の代表作も公開します。

重要文化財 白衣観音図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀 京都・東福寺蔵
※展示期間 東京会場:4月11日(火)〜5月7日(日) 京都会場:10月7日(土)〜11月5日(日)
重要文化財 達磨・蝦蟇鉄拐図 吉山明兆筆 室町時代・15世紀 京都・東福寺蔵
※展示期間 東京会場:3月7日(火)〜4月9日(日) 京都会場:11月7日(火)〜12月3日(日)

また、展覧会初出品となる2メートルもある元本尊の巨大な左手など、巨大伽藍にふさわしい東福寺の規格外のスケールを目の当たりにできる展示内容となっています。

仏手 鎌倉時代・14世紀 京都・東福寺蔵
※東京・京都会場とも通期展示
特別展「東福寺」
東京会場:東京国立博物館
会期:2023年3月7日(火)~5月7日(日)
京都会場:京都国立博物館
会期:2023年10月7日(土)~12月3日(日)
詳しくは展覧会の公式サイト(https://tofukuji2023.jp/)へ
公式ツイッター @tofukuji2023

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)