芸術新潮11月号 特集は「養老孟司の目」 第2特集は新出!歌麿の大作”春画”軸

芸術新潮11月号が10月25日に刊行されました。今号の特集は、ベストセラー『バカの壁』の作家でもあり、虫好きで知られる解剖学者の「養老孟司の目」です。アート雑誌の特集に解剖学者とは、その意図は?

担当した編集部の伊熊泰子さんは「特集を組むきっかけは、昨年の終わりから今年の始めにかけて京都の細見美術館で開催された『虫めづる日本の美 養老孟司×細見コレクション』の記事を作ったこと。

養老先生と同じく鎌倉に住む虫仲間でイラストレーターの横山寛多さんと対談していただいたんですが、それがもう面白くて。

先生いわく、『日本ほど虫の絵を描いてきた国はない』のだそうで、近世絵画から現代の作品まで、虫を切口にした二人のお話はとどまるところを知らず。

ただ、虫は嫌いな人は嫌いだから、小誌では純然たる虫特集は難しい。

それなら、養老先生自身を特集してしまえばいいじゃないかとなりました。

特集は、20数年ぶりの佐渡島再訪と、ヨシタケシンスケ、山下裕二、坂口恭平のお三方との対談が柱です。

日本一有名な猫かもしれない〈まる〉ちゃんもでっかく登場。

死についての現在の思索や、唯脳論の人らしいメタバースへの関心といったホットな話題も満載です」と話しています。

第2特集は「新出!歌麿の大作”春画”軸」。新たに発見された喜多川歌麿の《階下の秘戯》を紹介。ひとり秘かに楽しむ春画のイメージを覆す、表装を入れると幅90センチ以上ある作品は、春画への先入観を覆すかもしれません。文章は、樋口一貴・十文字学園女子大学教授(江戸時代絵画)。

また、ジュリーこと沢田研二の衣装をつくった早川タケジのインタビューも読み応えがあります。

定価1500円。購入は、書店や芸術新潮のサイトから各インターネット書店で。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)