【プレビュー】「柴田是真と能楽 江戸庶民の視座」国立能楽堂資料展示室で10月29日から

羽衣福の神図屏風 柴田是真筆 嘉永6年(1853) 個人蔵

特別展「柴田是真と能楽 江戸庶民の視座」
会期:2022年10月29日(土)~12月23日(金)
会場:国立能楽堂 資料展示室(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)
開館時間:午前11時~午後5時
国立能楽堂主催による夜公演(11月18日・24日、12月16日)を鑑賞客は開場から開演前までの時間に展示を見ることができる
観覧料:無料
休室日:月曜日
アクセス:JR千駄ケ谷駅徒歩5分、地下鉄大江戸線国立競技場駅徒歩5分
詳しくは国立能楽堂の公式サイト

近年、評価が高まっている幕末の町蒔絵師・町絵師、柴田是真ぜしん(1807~1891)を紹介する特別展「柴田是真と能楽 江戸庶民の視座」が10月29日から国立能楽堂資料展示室(東京・千駄ヶ谷)で始まります。
柴田是真は、明治維新後も最初の帝室技芸員に任命されるなど、国内外の博覧会・展覧会で活躍しました。日本よりもむしろ海外で極めて高い評価を受けてきた作家です。

道成寺蒔絵印籠 柴田是真作 明治14年(1881) 三隅悠コレクション
青海波塗藻彫火鉢(太鼓胴) 柴田是真作 江戸時代・19世紀 白勢家旧蔵 個人蔵

是真と能楽の関係に初めて光

是真と歌舞伎や大衆芸能など芸能界との深いつながりは知られていましたが、能楽界との関係は全く知られていませんでした。
本展のための調査で、是真は能楽に対しても深い関心を持ち、熱心にその写生に取り組んでいたことが明らかになりました。東京藝術大学が所蔵する「柴田是真写生帖」95冊に含まれる能楽関係の写生帖10冊をはじめ、写生・粉本や作品から、是真と能楽の関係に初めて光を当てます。

羽衣福の神図屏風 柴田是真筆 嘉永6年(1853) 個人蔵
港区指定有形民俗文化財 猩々図扁額 柴田是真筆 明治12年(1879) 赤坂氷川神社蔵

(読売新聞美術展ナビ編集班)