【開幕】生命力あふれる圧倒的展示 「展覧会 岡本太郎」 東京都美術館で12月28日まで

(手前)《光る彫刻》1967年 川崎市岡本太郎美術館蔵、(奥)《若い夢》1974年 川崎市岡本太郎記念美術館蔵 Ⓒ岡本太郎記念現代芸術振興財団

10月18日(火)に東京都美術館で開幕した「展覧会 岡本太郎」。前日に行われた内覧会に伺いました。入口から、インパクトのある大きなオブジェと、生命力が溢れる絵画の大作が押し寄せるて来るようで圧倒されます。上が《光る彫刻》、下の顔が《若い夢》です。

展覧会 岡本太郎
会場:東京都美術館(台東区上野公園8-36)
会期:2022年10月18日(火)~12月28日(水)
休室日:月曜日
開室時間:9:30~17:30 金曜日は20:00まで(入室は閉室の30分前まで)
観覧料:一般 1,900円 大学・専門学校生1,300円 65歳以上1,400円
*事前購入(日時指定券)
高校生以下無料(日時指定予約必要、未就学児は予約不要)
詳しくは展覧会公式サイトヘ。
問い合わせ050-5541-8600(ハローダイヤル)
愛知展:愛知県美術館
会期:2023年1月14日(土)~3月14日(火)

岡本太郎(1911-1996)の過去最大規模の展覧会。巡回展とはいえ、先立って開催された大阪展とは雰囲気がかなり違います。基本的な構成は1章から6章まで制作の時代順なのですが、冒頭のコーナーは大型の作品が制作順など関係なく所狭しと並べられています。

担当した藪前知子学芸員は「いかに現代と対峙するか、という作家でしたから、普通の回顧展の形はなじまないと思い、あえて作品同士がぶつかり合うような空間を作りました。来場される方もナマでぶつかってください」と狙いを説明してくれました。順路も決められていないので、気になる作品とじっくり向かい合いたいものです。大阪中之島美術館で鑑賞した方も、再訪する価値は十分にあります。

岡本太郎と言えば、やはり《太陽の塔》。50分の1の作品が飾られています。やはり見入ってしまいます。後ろは現在、渋谷駅に設置されている巨大壁画《明日の神話》の下絵。同じ時期に作家が精魂を傾けた両作品のコラボレーションは必見です。現代社会に対する鋭いメッセージを今も発し続けています。

《太陽の塔(1/50)》1970年 川崎市岡本太郎美術館蔵

晩年の岡本太郎は、パブリックアートのほかには、まとまった作品の発表は行っていませんでした。しかし、死後にアトリエに残されていた膨大なカンヴァスは、この時期も旺盛な創作意欲をもって制作に取り組んでいたことを示しています。締めくくりの6章も、若い頃と変わらぬ迫力満点の作品が並びます。

《雷人》1995年(未完) 岡本太郎記念館蔵

音声ガイドが気になる方も多いでしょう。ナビゲーターは大阪展から絶賛の阿部サダヲさんです。さすが名優、緩急自在に作品世界へと誘ってくれます。一聴をおすすめします。

グッズコーナーは、かなりのスペースがあり、バリエーションに富んでいます。太陽の塔や顔などのフィギュアがたくさん並び、欲しくなるものばかり。青と黄色が鮮やかなサンダルにも惹かれました。

人気のNHK番組「TAROMAN」コーナーもお見逃しなく。「展覧会 岡本太郎」は12月28日(水)まで。詳しくは、こちら↓の徹底ガイドをご覧ください。情報がたっぷり詰まっています。(美術展ナビ編集班 若水浩、岡部匡志)

人気のTAROMAN(タローマン)のコーナー。記念撮影のスポットです。裏側に回ってセットの作りも見られます。