【レビュー】人気ユーチューバー9組の素顔と舞台裏を紹介――日本科学未来館で特別展「動画クリエイター展」

6日のメディア説明会では、9組のユーチューバーが集合した

特別展「動画クリエイター展」
会場:日本科学未来館(東京都江東区青海2-3-6)
会期:2022年10月8日(土)~2023年4月2日(日)
休館日:火曜休館、ただし12月27日と1月3日、3月21、28日は開館。年末年始(12月28日~1月2日)も休館。
アクセス:新交通ゆりかもめ東京国際クルーズターミナル駅から徒歩約5分、テレコムセンター駅から徒歩約4分。東京臨海高速鉄道りんかい線東京テレポート駅から約15分
観覧料:大人(19歳以上)2000円、中人(16~18歳)1400円、小人(小学生~15歳)800円、未就学児(4歳以上)500円、3歳以下は無料
※最新情報は公式サイト(https://dougacreator-ten.jp/)で確認を。

今や小学生の「将来なりたい職業」といえばユーチューバー。まさに「21世紀の花形職業」である。そのユーチューバーにはどんな歴史があり、実際にはどんな活動をしているのか。9組の人気クリエイターを通じて、それらを紹介するのがこの展覧会だ。公的ミュージアムで開かれる大型展覧会で、「動画クリエイター」がテーマになるのは初めてなのだという。10月8日の開幕前、6日に行われたメディア説明会と内覧会を覗いて見た。

展示風景

最初のコーナーは、「【爆誕】動画クリエイターあらわる!」。20世紀末から現在にかけてのSNSの発達、動画配信の発展など、日本でのウェブ文化の歴史が、簡潔にまとめてある。1995年、「ウィンドウズ95」の誕生をスタート地点として、「誰もが使える時代(20002005)」から「ウィズコロナ時代(20192022)」など、約30年の歴史を6つのパートに分けて説明される「時代のトピック」。すべて同時代として生きてきたオジサンである筆者などは、「そんなこともあったなあ」と思わず感慨にふけってしまう。ウェブ文化も「懐かしい」と思える時代になったのである。

展示風景

続いては、「【傑作】夢中!潜入!没入!」のコーナー。ここで紹介される9組のクリエイターは、次の通りだ。ちなみにあいうえお順である。

「双子のバーチャルユーチューバー」おめがシスターズ コスメ・メイクの専門家、鹿の間 「歌唱力向上委員会」しらスタ 「板書は作品」の授業動画、葉一 超フリーダムクリエイター はじめしゃちょー ティーンクリエイター、ひまひま 「思い出系パフォーマンス集団」フィッシャーズ ゲーム実況のポッキー 「今日食べたいものを今日作る!」料理研究家、リュウジ。

見どころは、各クリエイターがこの展覧会のために制作した、約5分間の限定動画9本だろうか。それぞれのクリエイターのコーナーには「1日のスケジュール表」や「あなたにとって動画サイトとは?」のQAなど、それぞれの個性に添った展示が並んでいる。現在14歳、中学3年生のひまひまのコーナーでは、動画投稿を始めた9歳から現在までの立ちパネルも展示されている。

「クルマロボFischer’s-01」の前で取材を受けるフィッシャーズ

また、フィッシャーズの「クルマロボ」など、クリエイターたちの動画に登場した「あの私物」なども展示。撮影スタジオを再現しているコーナーもあり、動画撮影の裏側が垣間見える構成にもなっている。

そして最後は、「【体験】全力でなりきる!」のコーナー。おめがシスターズ考案のVTuberになりきったり、ポッキー制作のオリジナルゲームを実況したり、と盛りだくさんの内容。さらに、はじめしゃちょー公認の「開封の舞っぽいことしてみた」、「3分で完成! 動画編集してみた!」などのコーナーもあり、7種類のブースで、企画や撮影、編集など、動画制作の雰囲気を味わうこともできるのだ。グッズコーナーも充実している。

「動画編集」など、様々な体験もできる
グッズも充実

この展覧会、秋に始まり、冬休みを超えて、春休みが終わるまで、長期で開催されている。「休み期間は、親子連れから小中学生のグループで一杯になるだろうなぁ」と実感できる内容だ。美容系、音楽系、ゲーム実況系など、9組のクリエイターはバラエティーに富んでおり、オトナの「ユーチューバー入門」としても分かりやすい内容。今年後半、お台場の名物になりそうだ。

(美術展ナビ取材班)