【開幕】「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」大阪中之島美術館で来年1月9日まで

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》の左が第1ステート、右が第2ステート。いずれも1891年

「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」
会期:2022年10月15日(土) ~ 2023年1月9日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館 4階展示室
開場時間:10:00~17:00 ※入場は16:30まで
観覧料:一般 1600円 高大生 1300円
休館日:月曜日(1/2、1/9を除く)、12/31、1/1
詳しくは大阪中之島美術館サイト(https://nakka-art.jp/)
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ(第2ステート)》1891年

10月15日(土)に大阪中之島美術館で開幕する「ロートレックとミュシャ パリ時代の10年」の内覧会に伺いました。1891年、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックが一躍脚光を浴びた第1号ポスター《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》がまず出迎えてくれます。この展覧会では、似た作品が隣り合って展示されていますが、ステートと言われる刷りの段階が違ったり、試し刷りも飾られています。また、ロートレックの全ポスター作品31点が一堂に紹介されている貴重な機会でもあります。

アルフォンス・ミュシャ《ジスモンダ》。右が文字のないステート。いずれも1894年

こちらは、もうひとりの主役、アルフォンス・ミュシャが1894年に発表した《ジスモンダ》です。文字の有無のほか、色みも微妙に違います。2人ともポスターデビュー作で注目され、芸術の都パリの「ベル・エポック(よき時代)」を華々しく彩りました。

ロートレック《『怒れる牝牛』誌(第3ステート)》1896年
ミュシャ《ムーズ川のビール》1897年

ロートレックらしい躍動感のある《『怒れる牝牛』誌》や、ビールの女神を描いたとされるミュシャらしい《ムーズ川のビール》が目を引きました。

ミュシャのグッズ

ロートレックのグッズ

グッズコーナーも充実です。そのなかでも、特に、今見てきた感動をカレンダーやタペストリーなどの形で持ち帰りたくなります。

2人は、この時代にパリでともに石版画ポスターに取り組んでいました。しかし、文献では2人の明らかな交流を示す記述は見つかっていないと言います。同じ時期の同じ展覧会に出品していたので、お互いを知っていて、意識はしていたようです。そんな背景を知ると、また違った見方ができるかもしれません。(美術展ナビ編集班 若水浩)

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