【開幕】「ピカソとその時代」国立西洋美術館で2023年1月22日まで ピカソ、マティスなど珠玉の20世紀美術が集う

ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展
会期:2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日)
会場:国立西洋美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園7番7号)
開館時間:9:30〜17:30 毎週金・土曜日:9:30〜20:00
※入館は閉館の30分前まで
観覧料:一般2,100円、大学生1,500円、高校生1,100円 中学生以下無料
休館日:月曜日、10月11日(火)、12月30日(金)~2023年1月1日(日)、1月10日(火)
※ただし、10月10日(月・祝)、2023年1月2日(月・休)、1月9日(月・祝)は開館)
アクセス:JR上野駅下車(公園口出口)徒歩1分
詳しくは展覧会公式サイトへ。
2023年2月4日(土)~5月21日(日)に国立国際美術館(大阪)へ巡回

10月8日(土)から2023年1月22日(日)まで国立西洋美術館で「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」が開催されています。ドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューンが築きあげたコレクションを紹介。彼が敬愛したピカソ、クレー、マティス、ジャコメッティなど97点が来日します。うち76点が日本初公開です。開幕前日の内覧会を取材しました。

日本初公開のピカソが35点

「Ⅱ. ピカソとブラック―新しい造形言語の創造」展示風景
「Ⅲ. 両大戦間のピカソ―古典主義とその破壊」展示風景

出展作品の約半数はピカソで、うち35点は日本初公開。ピカソはめまぐるしく作風が変化したことで知られていますが、ベルクグリューンのコレクションにはほぼすべての作風の作品がそろっているとのこと。本展の前半部分では、「青の時代」「バラ色の時代」「キュビズム」などピカソの表現の変遷をたどることができます。

クレー、マティス、ジャコメッティも

後半からは、クレー、マティス、ジャコメッティの作品が並びます。

「Ⅴ. クレーの宇宙」展示風景

とくに印象的だったのが、クレーの作品34点が集う「Ⅴ. クレーの宇宙」。「色彩と線の魔術師」と呼ばれたクレーは、ピカソと並んでベルクグリューンのコレクションの中核を担っています。色彩と線を絶妙に配置し、城、中国の磁器、子どもなどを表した作品が並びます。その光景は、見る者を癒すような独特の世界観を醸し出していました。

「Ⅶ. 空間の中の人物像―第二次大戦後のピカソ、マティス、ジャコメッティ」展示風景

最終章では、ピカソ、マティス、ジャコメッティが第二次大戦後に制作した人物像が一堂に展示。各作品が強烈なオーラを放ち、共鳴しているかのようです。贅沢な空間が本展を締めくくります。

コレクター・ベルクグリューンの熱意

コレクションを築いたベルクグリューンの歩みも興味深いです。ベルクグリューンは1948年からパリで画廊を経営しながら自分のために作品を収集。本当に気に入った作品だけを手元に残し、世界有数のコレクションを築き上げます。マティスらの新たな表現を誰も評価していなかったとき、その重要性をいちはやく見抜いたのもベルクグリューンでした。

「Ⅵ. マティス―安息と活力」展示風景

またベルクグリューンは、展示方法や額縁など「作品の周辺」にもいっさいの妥協を許さなかったそう。本展では、ベルクグリューンが作品に合わせて厳選したアンティークの額縁も見どころのひとつです。

散財必至のグッズ売り場

オリジナルグッズも素敵!ポストカード、お菓子などの定番グッズはもちろん、ジャコメッティの作品をモチーフにしたペンケース、ピカソやマティスの作品をイメージしたアクセサリーも。最後まで気が抜けません。


「ピカソとその時代」は国立西洋美術館で2022年10月8日(土)~2023年1月22日(日)まで。2023年2月4日(土)~5月21日(日)に国立国際美術館(大阪)へ巡回します。

(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)

※ポーラ美術館(箱根)では、2023年1月22日(日)まで「ピカソ 青の時代を超えて」が開催されています。