【毒展プレビュー】特別展「毒」が国立科学博物館で11月1日から 各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げる毒の世界

特別展「毒」

  • 会期

    2022年11月1日(火)2023年2月19日(日) 
  • 会場

  • 観覧料金

    一般・大学生:2,000円

    小・中・高校生:600円

    ※未就学児は無料。※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料。

    日時指定予約制となっており、日時指定予約チケットは10月9日(日)【ドクの日】から販売されます。

  • 休館日

    月曜日、12月28日(水)~1月1日(日・祝)、1月10日(火)
    ※ただし1月2日(月・休)、9日(月・祝)、2月13日(月)は開館
    ※会期等は変更になる場合がございます。※入場方法等の詳細は公式サイトをご確認ください。

  • 開館時間

    09:00〜17:00 (入場は16時30分まで)
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展覧会公式サイト(https://www.dokuten.jp

“ドクの日”ともいわれる10月9日(日)。正午より特別展「毒」のチケット発売が開始されました。(https://www.dokuten.jp/ticket.html)をご覧ください。

「毒」をテーマにした展覧会、特別展「毒」が、2022年11月1日(火)から2023年2月19日(日)まで、国立科学博物館(東京・上野公園)で開催されます。本展での総展示“毒”数は250点以上。各研究分野のスペシャリストが徹底的に掘り下げた「毒」の秘密に迫ります。毒展の見どころと展示構成を紹介します。2023年3月18日(土)からは大阪市立自然史博物館  ネイチャーホールに巡回予定(同年5月28日まで)です。

「攻めるための毒」「守るための毒」

人間は、「生物に何らかの作用を与える物質」のうち、人間にプラスに働くものを薬、マイナスに働くものを毒と呼んで、多様で複雑な自然界を理解してきました。つまり「毒」とは、人間が作り出したひとつの概念と考えることができます。その毒は、動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在します。

会場イメージ

会場には、様々な有毒生物の「毒」の働きに迫る、巨大模型が登場します。狩り(捕食)のために使用する「攻めるための毒」、自分を守るために存在する「守るための毒」。巨大模型によって、“毒”をもつ生物の仕組みに大迫力で迫ります。

展示構成

  • 第1章 毒の世界へようこそ
  • 第2章 毒の博物館
  • 第3章 毒と進化
  • 第4章 毒と人間
  • 終章 毒とはうまくつきあおう

第2章 毒の博物館

菌類の毒、植物の毒、動物の毒、人間が作った毒など、私たちのまわりにある様々な「毒」が紹介されます。
【菌類の毒】 地球上に推定10万種以上とされる菌類(きのこ)の大半は、食べて毒かどうか不明とのこと。毒の場合は、痙攣(けいれん)、腹痛・下痢、幻覚症状、細胞破壊など様々な中毒症状を引き起こします。

ドクツルタケ
オオワライタケ

【海洋の有毒動物】 海には少なくとも3万種前後の有毒動物が知られています。クラゲやサンゴ、イソギンチャクなどの刺胞動物は、すべての種が刺胞と呼ばれる毒の注入装置をもっています。

ハブクラゲ 写真:黒潮生物研究所 戸篠 祥
トラフグ

フグに含まれるテトロドトキシンは、摂取すると、しびれや麻痺などの症状を起こし、重度の場合は呼吸困難によって死亡することもあります。

【人間が作った毒】 自然界では分解されない数mm 程度のプラスチックの小さな粒(マイクロプラスチック)など人間が作りだした「毒」にも迫ります。

クジラの体内から見つかったマイクロプラスチック

第3章 毒と進化

毒が進化の原動力となった例は多数あります。毒に耐える性質を確保したコアラや、有毒動物に擬態することにより不要な争いを避けようとする「警告色」など、毒が招いた生物の多様性と進化の例を紹介します。

【毒に耐える】 コアラVSユーカリ ユーカリには毒性をもつ化学物質が多く含まれています。コアラはこのユーカリを食物とするため、毒に対抗する様々な特徴を発達させた動物です。

*コアラの画像はイメージです。生体展示はありません

【警告色】 警告色には自身が有毒動物であることを周囲に伝え、その動物と外敵の双方にとって無用な争いを避ける効果があります。オビヤドクガエルは黄色と黒の縞または斑紋模様の「警告色」を持っています。

キオビヤドクガエル ©2012 Mauro Teixeira Jr

【植物の毒】 日本の3大有毒植物(トリカブト、ドクウツギ、ドクゼリ) このうちトリカブトは日本に約30種のトリカブト属が分布。誤食すると痙攣や呼吸不全などの症状が出て死に至ることがあります。特に根茎に有毒成分が濃縮されています。

オクトリカブト 写真:門田裕一
ドクウツギ 写真:小幡和男
ドグゼリ 写真:小幡和男

【有毒爬虫類】 唾液に血液毒(血液凝固阻害や血圧低下を引き起こす成分)を持つコモドオオトカゲは、水牛のような自分よりも大きな獲物も、かみ傷からの失血によって徐々に弱らせてから捕食することができます。

コモドオオトカゲ ©Cezary Stanislawski/Shutterstock.com

【有毒両生類】 爬虫類のように、自身が分泌する毒液を相手に注入するタイプの毒をもつカエルは南米産の2種しか知られていません。

ブルーノイシアタマガエル©2012 Mauro Teixeira Jr

第4章「毒と人間」

狩猟や戦、処刑や暗殺、また「毒」を研究することにより薬を生み出すなど、人間は毒と向き合い、その正体や本質に迫りながら、毒を利用する方法を次々と編み出してきました。人間の歴史において、そして人間にとって、毒とはどんな存在だったのか、太古から近現代にわたる「毒」と人間の関わりを考えます。

【毒の人類史】 パラケルスス(1493~1541年) 「あらゆる物質は毒である。毒になるかクスリになるかは、用量によるのだ」という言葉を残したスイスの医学者。化学者でもあり、錬金術師でもありました。

Paracelsus Monument in Salzburg, Kurgarten, Austria

【毒を操る】殺虫剤と忌避(きひ)剤 人間は、自分たちに都合の悪い害虫を避けたり、殺したりするために毒を操ってきました。蚊取り線香は代表的な例で、成分となるピレトリンは昆虫や両生・爬虫類に対する神経毒です。

左)蚊取り線香の原料となるシロバナムシヨケギク  右)蚊取り線香の第1号。棒状で持続時間が短かった(写真提供:大日本除虫菊)

(美術展ナビ編集班)