【開幕】「デミタスカップの愉しみ」八王子市夢美術館で11月27日まで 小さなカップが放つ珠玉の輝きに酔いしれる

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左:コールポート(イギリス) 金プラチナ彩菊花文カップ&ソーサー 1881~90年 右:未詳 金彩唐子図つぼみ形カップ&ソーサー 1868~1912年

デミタスカップの愉しみ
会期:2022年9月17日(土)~ 1127日(日)
会場:八王子市夢美術館(東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2階
開館時間:午前10時 ~ 午後7時(入館は午後6時30分まで)
観覧料:一般900円 学生・65歳以上450円 中学生以下無料
休館日:月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日、10月11日
アクセス:JR線JR八王子駅下車、北口より徒歩15分
詳しくは同館の展覧会HPへ。

濃い目のコーヒーを飲むための小さなカップ「デミタス」。その言葉を耳にするだけでときめいてしまうのは、なぜでしょう。

デミタスの魅力を余すことなく堪能できる展覧会「デミタスカップの愉しみ」が八王子市夢美術館で9月17日(土)から11月27日(日)まで開催されています。デミタスカップのコレクター・村上和美さんが愛蔵する2200組のカップ&ソーサーから選りすぐりの約340点を紹介。ヨーロッパや日本でつくられた多彩なデミタスが集い、唯一無二の輝きを放ちます。

デミタスからたちこめるジャポニスムの香り

19世紀後半~20世紀初頭につくられたヨーロッパ製のデミタスからは、「日本美術へのあこがれ」が感じられます。花鳥、梅や桜などのモチーフをとりいれたり、伊万里焼を「写し」たりと、積極的に日本の意匠がとりいれられているのです。

コールポート(イギリス) 金プラチナ彩菊花文カップ&ソーサー 1881~90年

こちらのデミタスは、イギリスの名窯・コールポートで1881~90年に作られました。ジャポニスムの装飾が優美です。

じっくり眺めたい日本製のデミタス

明治期に輸出用につくられた日本製のデミタスには、伝統文様、風景、人物など様々な要素が描きこまれています。見ていて楽しい!「どんな意味が込められているんだろう?」と想像しながら見ると、より味わい深いです。

未詳 金彩唐子図つぼみ形カップ&ソーサー 1868~1912年
服部(横浜) 金彩人物図カップ&ソーサー 1880年代

これらの輸出用のデミタスは、ヨーロッパの人々を喜ばせることを狙って作られました。例えばこちらのデミタス。飲み干した後に透かして見ると、日本髪の女性が!?「あっと驚かせたい」という作り手の気概を感じます。

未詳 泥漿盛り上げ龍文カップ&ソーサー 1920-1940年頃

ガラス製のデミタスの輝き

モーゼル(チェコ) 1900年代前期

陶磁器だけではありません。神々しいほどの輝きを放っていたのが、チェコやイタリアで生まれたガラス製のデミタス!見ているだけで、悦に浸ることができます。

実際、ガラス製のデミタスは繊細なため鑑賞向きですが、実用にあたっては水出しコーヒーなどの冷たい飲み物を注ぐことが多いそうです。

どうやって飲むかはわからないけれど…

ロイヤルバイロイト(ドイツ) 薔薇のつぼみ形カップ&ソーサー  1902~20年代
展示風景

「どうやって飲むんだろう…?」と首をかしげつつ、「かわいいからまあいいや」と納得してしまうユニークなデミタスもありました。作り手のデザインへの探求心、遊び心がデミタスの魅力を形作っていることを実感します。

マイセン(ドイツ)貼り付け花鳥とスノーボール蓋付きカップ&ソーサー 1860~80年

そしてなにより、コレクターの村上さんの審美眼、デミタスへの愛情に心を打たれました。会場では、マイセン、ノリタケなど名窯やメーカーのデミタスだけではなく作り手が判明していないデミタスも分け隔てなく並び、それぞれの個性で鑑賞者を魅了しています。

「デミタスカップの愉しみ」は、八王子市夢美術館で11月27日(日)まで。小さなカップの中に、あらゆる美意識、技巧が凝縮されています。珠玉の輝きに酔いしれてみませんか。

(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)

※掲載写真のデミタスは、すべて村上和美さん所蔵のものです。

渋谷区立松濤美術館(東京・渋谷)で開催されたときの動画もあわせてチェックしてみてください。

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