【レビュー】華麗なるベルばらワールド「 誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ーベルばらは永遠にー」東京シティビューで11月20日まで

誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ーベルばらは永遠にー
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会期
2022年9月17日(土)〜11月20日(日) -
会場
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展覧会公式サイト(https://verbaraten.com/)
連載開始から50年を迎える名作マンガ「ベルサイユのばら」の展覧会、「誕生50周年記念 ベルサイユのばら展 ーベルばらは永遠にー」が、9月17日(土)から11月20日(日)まで、東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催されています。
会場に一歩足を踏み入れれば、そこは「ベルばらワールド」。
ベルサイユ宮殿をイメージした豪華絢爛なエントランスに、窓面にはキャラクターたちがまるで肖像画のように並んでいます。背景は、海抜250メートルの展望台ならではの美しい景色。時間帯によってさまざまな表情を見せてくれることでしょう。

こちらのエントランスではフォトサービスが行われており、手持ちのスマートフォンでも撮影してもらえます。なんと、カメラマンさんの撮影の掛け声は「アン、ドゥ、トロワ」。どこまでもベルばらの世界観が徹底されています。
エントランスでは、オスカルやアントワネットなど主要なキャラクターはもちろん、ロザリーやアラン、マロングラッセなど、物語を彩る個性的なキャラクターたちも迎えてくれます。

ドラマが蘇る、力強い原画の数々
本展では、連載当時の原画約180点が物語に沿って展開されています。どれを見ても「あのシーンだ」と思うものばかり。展示を見ながらもう一度ベルばらを読み直しているような、そんな気持ちになりました。
あどけないオーストリアの少女だったアントワネットが、やがてフランスの王妃となり、許されざる恋に心を燃やし、最後はフランスの王妃として断頭台に立つ姿。一方、女として生まれながら、男として育てられたオスカル。叶わぬ初恋、想いを断つために着たドレス。そして、最後に真実の愛を見つけながら、革命に身を燃やす姿。
美しく、力強い原画の数々により、様々な愛のかたち、フランス革命を背景にした壮大な歴史ドラマが鮮やかに蘇ります。

オスカル 生涯ただ一度のドレス
フェルゼンへの恋心を断ち切るため、オスカルが生涯でただ一度身にまとったドレスも展示されています。漫画の中では何色なのか明言されていないこちらのドレスですが、作者の池田理代子先生は、オスカルにウエディングドレスを着せるつもりで描いたそう。上品なアイボリーがオスカルのイメージにピッタリです。
ちなみにオスカルの身長は178cmという設定だそう。オスカル様が現実にいたらどんなに美しいことか、想像が膨らみます。

制作:文化服装学院オートクチュール科学生
企画制作:メイプル



「少女漫画で歴史物などとんでもない、女子供に歴史なんて与えたってわかるわけがない」と言われながら、これほどまでの大作を作り上げ、ヒットさせた池田先生の強さにも心動かされました。
海抜250メートルのオスカル様のお部屋
続いては、宝塚歌劇「ベルサイユのばら」のコーナー。いまや宝塚歌劇の象徴的な作品となっている「ベルサイユのばら」の舞台衣装や小道具、過去の公演ポスターや衣装のデザイン画などが展示。さらに、劇中ではお馴染みの「オスカルの居間」も再現されています。

貴族と平民、身分の違いを分かっていながらも、オスカルへの想いが募るあまり、アンドレがワインに毒を盛るシーン。毒が入っていた包み紙も発見しました!

劇中で、アントワネットが幼い頃に大切にしていたステファン人形と、そのデザイン画も展示されています。処刑を目前に控えるアントワネットがステファン人形を抱きながら、自分こそが人形であったのだと嘆く印象的なシーンが思い起こされます。


TVアニメ「ベルサイユのばら」のコーナーでは、セル画や台本、事細かに決められたキャラクター設定の資料が展示されています。



ファンの心を鷲掴みするグッズの数々
グッズ売り場は、ファンの心を鷲掴みするグッズで溢れかえっています。名台詞「そのショコラが熱くなかったのをさいわいに思え!!」のシーンが、なんとコースターになっておりました。グッズに対する場面のチョイスが天才的です。



さて、大満足のベルばら展を鑑賞し終わり、帰りのエレベーターに乗ろうとすると、「ベルサイユのばら 50th Anniversary Cafe」が私たちを待ち構えています。後日、グッズ開封と併せてカフェのレポートもアップしますのでお楽しみに。



充実の展示に美しい展望、こだわりのグッズやカフェなど「ベルサイユのばら」が生み出す夢のような世界観を楽しめる本展。六本木ヒルズ・東京シティビューでは11月20日(日)まで開催され、その後、11月30日(水)から12月12日(月)まで、大阪・阪急うめだ本店に巡回します。
(美術展ナビ編集班スタッフ・彩)