アーティゾン美術館 2023年はダムタイプ展、ローランサン展など開催 展覧会スケジュールを発表

ベルト・モリゾ《バルコニーの女と子ども》1872年 2月から始まる「アートを楽しむ」展に登場します。 石橋財団アーティゾン美術館蔵

アーティゾン美術館(東京都中央区京橋)が2023年の展覧会スケジュールを発表しました。主なものを紹介します。同館ホームページ(https://www.artizon.museum/


第 59 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展
ダムタイプ|2022: remapJapan Pavilion Exhibition in Tokyo̶From the 59th International Art Exhibition, La Biennale di Venezia
Dumb Type, 2022: remap
会期:2023 年 2 月 25 日[土]- 5 月 14 日[日]

ダムタイプ《2022》 撮影:高谷史郎 Ⓒダムタイプ

第 59 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館展示に選出されたのは、日本のアート・コレクティブの先駆け的な存在であるダムタイプ。1984 年の結成時から一貫して、身体とテクノロジーの関係を独自な方法で舞台作品やインスタレーションに織り込んできた彼女/彼らは、坂本龍一を新たなメンバーに迎え、ヴェネチアで新作《2022》を発表しました。「ポスト・トゥルース」時代におけるコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について思考を促す本作を、帰国展として再構成してご紹介します。
アーティスト:ダムタイプ(プロジェクトメンバー:高谷史郎、坂本龍一、古館健、濱哲史、白木良、南琢也、原摩利彦、泊博雅、空里香、高谷桜子 ほか)


アートを楽しむ ー見る、感じる、学ぶDelighting in Art ̶Seeing, Feeling, Learning
会期:2023 年 2 月 25 日[土] – 5 月 14 日[日]

アンリ・マティス《青い胴着の女》1935年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

アーティゾン美術館は、鑑賞者に美術作品により親しんでもらうために、これまでさまざまなラーニングプログラムを提供してきました。この展覧会は、こうしたプログラムの成果をもとに、所蔵作品の中から厳選した作品を、ひと味違った展示方法により楽しんでもらうものです。内容は「肖像画の世界へ――絵や彫刻の中の人になってみよう」、「風景画への旅――描かれた景色を体感する」、「印象派の世界を体感する――近代都市パリの日常風景」の3つのセクションで構成。作品をじっくり見てもらい、存分にその世界を感じ、さらにより深く学ぶ機会を提供します。


ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開
セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へABSTRACTION: The Genesis and Evolution of Abstract Painting
Cézanne, Fauvism, Cubism and on to Today
会期:2023 年 6 月 3 日[土] – 8 月 20 日[日]

フランティセック・クプカ《赤い背景のエチュード》1919年頃【新収蔵作品】 石橋財団アーティゾン美術館蔵

19 世紀末から第一次世界大戦が勃発するまでの間、フランスが平和と豊かさを享受することが出来たベル・エポックの時代。芸術を生み出す活気と自由な雰囲気にも満ち溢れ、世紀初頭にはフォーヴィスム、キュビスムなどの新しい美術が芽吹いて花咲き、やがて絵画表現の到達点のひとつとして抽象絵画の誕生を導きました。その後抽象絵画は 20 世紀の美術表現を主導することになりました。この展覧会は、抽象絵画の発生の前後より、戦前戦後のフランス絵画を中心とした興隆の動向、戦後についてはフランスの熱い抽象、抽象表現主義、さらには日本の実験工房や具体など同時多発的に、多様に展開し、次代へとつながった抽象絵画のあゆみを展観します。


ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃
ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン
Jam Session:The Ishibasi Foundation Collection × Yamaguchi Akira  Drawn to the Irresistible Sensation
会期:2023 年 9 月 9 日[土]- 11 月 19 日[日]

山口晃《当世壁の落書き》2021年 作家蔵
山口晃《東京圖》(部分) 作家蔵

日本は近代を接続し損なっている、いわんや近代絵画をや。写実絵画やアカデミズム絵画に対する反動としての、あるいはその本来性を取り戻すためのものが西欧の〈近代絵画〉であろう。が、写実絵画やアカデミズム絵画の歴史を持たぬ本邦に移入された近代絵画とはなんであろう。西欧の近代絵画と日本の近代絵画を蔵する石橋財団コレクションを前にして、改めて、山口晃(1969- )はそう述べます。今回のジャム・セッションでは、「近代」、「日本的コード」、「日本の本来性」とは何かを問い、歴史や美術といった人間社会の制度をぶっちぎらんとする、「やむに止まれぬサンサシオン」な山口晃をご覧いただきます。


創造の現場 ー映画と写真による芸術家の記録From the Scene of Creation ̶Artists’ Archives in Films and Photographs
会期:2023 年 9 月 9 日[土] – 11 月 19 日[日]

撮影の様子(左下が梅原龍三郎)
安齊重男《堂本尚郎、作家スタジオ、東京、1980年6月》1980/2017年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

1953 年、アーティゾン美術館の前身であるブリヂストン美術館は開館の翌年に映画委員会を発足しました。1964 年までの 11 年間に60 人の芸術家を取材し、アトリエでの制作風景や日常の様子などを記録した 17 本の映画を制作しました。また、近年当館は安齊重男(1939-2020)によるアーティストの記録写真を収集しています。安齊は戦後の現代美術の現場を記録し続けた写真家です。芸術家の記録映画制作や安齊作品の収集は、芸術に関わるアーカイブに対する石橋財団の一貫した姿勢を示すものとして捉えることができます。本展は映画委員会が制作した貴重な美術映画と取材対象となった芸術家たちによる作品、そして安齊作品を紹介し、日本近現代美術の現場を展観します。


マリー・ローランサン ―時代を写す眼Marie Laurencin: An Eye for Her Time
会期:2023 年 12 月 9 日[土] – 2024 年 3 月 3 日[日]

マリー・ローランサン《二人の少女》1923年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

マリー・ローランサン(1883-1956)は、20 世紀前半に活躍した女性画家です。ローランサンは、パリのアカデミー・アンベールで学び、キュビスムの画家として活動をはじめました。1914 年にドイツ人男爵と結婚、ドイツ国籍となったため、第一次世界大戦がはじまるとフランス国外への亡命を余儀なくされました。1920 年に離婚を決意して、パリに戻ってくると、1921 年の個展で成功を収めます。第二次世界大戦勃発後もほとんどパリに暮らし、1956 年に 73 歳で亡くなるまで制作をつづけました。本展ではローランサンの画業を複数のテーマから紹介し、関連する他の画家たちの作品と比較しつつ、彼女の作品の魅力をご紹介します。

石橋財団コレクション選Selections from the Ishibashi Foundation Collection
石橋財団は、19 世紀後半の印象派から 20 世紀の西洋近代絵画、明治以降の日本の近代絵画、第二次世界大戦後の抽象絵画、日本および東洋の近世・近代美術、ギリシア・ローマの美術など現在約 3,000 点の作品を収蔵しています。これらコレクションの中から選りすぐりの作品を年間を通じて様々にご紹介します。

特集コーナー展示 Special Section
4階コレクション選のフロアに特集コーナー展示を設けています。2023年度は以下の展示を予定しています。

画家の手紙 Artists’ Letters
会期:2023 年 2 月 25 日[土]- 5 月 14 日[日]

坂本繁二郎《パリ郊外》1923年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

画家の手紙には、師弟、先輩、後輩、友人、妻、恋人、子に対する思い、創作にまつわる悩みや苦労、エピソードが記され、ときに作家の人柄や人間模様もかいま見えます。石橋財団コレクションの中から、坂本繁二郎ら日本近代洋画家の手紙にまつわる作品、あるいは手紙そのものをご紹介します。

読書する女性たち Women Reading
会期:2023 年 9 月 9 日[土]- 11 月 19 日[日]

メアリー・カサット《娘に読み聞かせるオーガスタ》1910年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

ヨーロッパでは 18 世紀以降、読書する女性の姿が描かれるようになります。西洋に学んだ日本近代の画家たちも、同じ画題を取りあげました。本展では、石橋財団コレクションから、女性が読者として描かれたマティスやカサット、山下新太郎らの作品を紹介します。

野見山暁治 NOMIYAMA GYOJI
会期:2023 年 12 月 9 日[土]- 2024 年 3 月 3 日[日]

野見山暁治《タヒチ》1974年 石橋財団アーティゾン美術館蔵

野見山暁治(1920- )は、具象と抽象のあいだを漂う独特の画風を確立し、102 歳を迎える今年も精力的に作品を制作しています。特集コーナー展示「野見山暁治」では、近年新たに収蔵した 3 点を初公開し、石橋財団の所蔵作品から野見山暁治の魅力に迫ります。

<アーティゾン美術館>

〒104-0031 東京都中央区京橋1-7-2

050-5541-8600(ハローダイヤル)

https://www.artizon.museum/

アクセス:JR東京駅(八重洲中央口)、東京メトロ銀座線・京橋駅(6、7番出口)、東京メトロ銀座線/東西線/都営浅草線・日本橋駅(B1出口)から徒歩5分

(読売新聞美術展ナビ編集班)

新着情報をもっと見る