【26日まで】「第69回日本伝統工芸展」(日本橋三越本店)公募展の入選作や人間国宝の最新作など至高の558点が集う

9月14日から26日まで日本橋三越本店で日本工芸の公募展「第69回日本伝統工芸展」が開催されています。厳正な鑑審査を経て選ばれた入選作491点と重要無形文化財保持者(人間国宝)の最新作など、あわせて558点を紹介。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門の力作が一堂に会します。
第69回日本伝統工芸展 |
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会期:2022年9月14日(水)~ 9月26日(月) |
会場:日本橋三越本店 本館7階 催物会場(東京都中央区日本橋室町1-4-1) |
開館時間:午前10時 ~ 午後7時(最終日午後5時終了) |
観覧料:無料 |
アクセス:東京メトロ銀座線・半蔵門線 「三越前」駅より徒歩1分 |
愛知、京都、大阪など計11会場へ巡回します。 |
詳しくは日本工芸会のHPへ。 |
日本工芸会総裁賞をはじめ16の受賞作品

こちらの木竹工部門の作品は、日本工芸会総裁賞 を受賞した河野祥篁さんの透網代花籠「朝露」。網代編みの隙間から漏れる光の粒がまばゆいです!
作品との出会いを愉しむ
受賞作はもちろんのこと、ビビッとくる作品に出会えるはず。私の一押しは、人形部門の作品。服装、表情、仕草。細部にわたるまで精巧です。

作品により親しむコツは?
精緻な技巧に目が釘付けになったり、ダイナミックな造形に惹きつけられたり、個性あふれる作品が目白押し。「どうやって作られたんだろう?」「どういう意味が込められているんだろう?」と思うこともしばしばありました。
こちらの人形は、小島尚子さんの《木芯桐塑木目込「またね」》。小島さんの話によると、この作品は出かける前にすり寄ってきた猫に「またね」と声をかけるシーンを再現しているそう。よ~く見ると、女性の足元に猫が潜り込んでいますね。話を聞くことで、より一層作品に親しむことができました。

漆作家で本展にも出品している奥井美奈さんは、「漆芸の作品名は、技法+「作品のテーマ」で構成されていることが多いです」とアドバイスします。

このように何名かの出品作家が日替わりで在廊されているので、思い切って聞いてみてもいいかもしれません。(※ネームプレートをつけた方が作家とのこと。)
また、受賞作家や学識者が作品解説をするギャラリートークも開催されています。ギャラリートークの詳細については、こちらからご覧ください。
至高の伝統工芸の世界をのぞいてみませんか。

(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)