【プレビュー】「杉本博司 本歌取り―日本文化の伝承と飛翔」姫路市立美術館で9月17日から

《春日神鹿像》 室町時代 海景五輪塔:杉本博司 鞍、蓮台補作:須田悦弘 小田原文化財団

杉本博司 本歌取り ―日本文化の伝承と飛翔

  • 会期

    2022年9月17日(土)11月6日(日) ※会期中展示替えがあります
  • 会場

  • 観覧料金

    一般1200円/大学・高校生600円/中学・小学生200円

  • 休館日

    月曜日(ただし9月19日、 10月10日は開館)、 9月20日(火)、10月11日(火)

  • 開館時間

    10:00〜17:00 (入場は16時30分まで)
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現代美術作家の杉本博司氏が、和歌の伝統技法である本歌取りと自身の写真技法を比較。日本文化の伝統は旧世代の時代精神を本歌取りすること、つまり古い時代の感性や精神を受け継ぎつつ、そこに新たな感性を加えることで育まれてきたものであろうという「本歌取り論」を展開しました。
本展では、杉本氏が「本歌取り論」を提唱する以前から現在に至るまで、杉本作品の底流に常に本歌取りの概念が存在していることをひも解いていきます。

杉本博司 《カリフォルニア・コンドル》 1994年 ©Hiroshi Sugimoto
伝 牧谿 《松樹叭々鳥図》 室町時代(15~16世紀) 藤田美術館

「本歌」と杉本作品を同時展示

自身の創作においても本歌取りを試み、日本だけでなく世界中の文化に本歌を求めた杉本氏は、千利休の「見立て」やマルセル・デュシャンの「レディメイド」を参照しつつ、独自の解釈を加え、新たな本歌取りの世界を構築しました。

本展で初公開となる屏風仕立ての写真作品《天橋立図屏風》は、その発想の源泉となった頴川美術館旧蔵の《三保松原図》(兵庫県立美術館蔵)とあわせて展示されます。

杉本博司 《天橋立図屏風》 2022年 ©Hiroshi Sugimoto
重要文化財 伝 能阿弥筆《三保松原図》 室町時代(15世紀)、 兵庫県立美術館 頴川コレクション

さらに、春日大社に関わりのある《金銅春日神鹿御正体》(細見美術館蔵)を本歌取りした《春日神鹿像》など立体作品も展示。

杉本作品とその発想の源泉となった「本歌」を同時に見ることで、杉本氏の「本歌取り」の概念をより明確に感じることが出来るでしょう。

重要文化財 《金銅春日神鹿御正体》 南北朝時代(14世紀) 細見美術館
《春日神鹿像》 室町時代 海景五輪塔:杉本博司 鞍、蓮台補作:須田悦弘 小田原文化財団

杉本氏が姫路を「本歌」として生み出した新作

今年度のオールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクトの招聘作家として、姫路が全国に誇る文化財である書寫山圓教寺や姫路城で活動を行っている杉本氏。姫路における活動の中で生まれた《性空上人像》や《姫路城図》などの新作が、本展で初めて公開されます。

多彩な杉本作品、自身が蒐集した古美術コレクションも展示

尾形光琳の国宝《紅白梅図屏風》を本歌とする《月下紅白梅図》や、代名詞ともいえる大判の写真作品に加え、自身の古美術コレクションと、それを用いた作品や陶芸作品、書跡など多彩な分野の作品が展示されます。杉本氏がどのようなものに魅力を感じてきたのか、影響を受けてきたのかも浮かび上がることでしょう。

杉本博司 《月下紅白梅図》 2014年 ©Hiroshi Sugimoto

(読売新聞美術展ナビ編集班)

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