【開幕】「古美術逍遙―東洋へのまなざし」泉屋博古館東京で10月23日まで 国宝2件、秘蔵の若冲など住友の東洋美術コレクションの名品並ぶ

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展第3弾「古美術逍遙―東洋へのまなざし」が、同館(六本木一丁目)で9月10日(土)から10月23日(日)まで開催されます。多彩な住友コレクションから東洋美術に絞り、国宝2件を含む約80件を紹介。伊藤若冲の《海棠目白図》など秘蔵の3点も公開しています。開幕前日の内覧会を取材しました。
古美術逍遙―東洋へのまなざし |
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会期:2022年9月10日(土)~ 10月23日(日)※前期・後期で作品の入れ替えあり 【前期】9月10日(土)~10月23日(日) 【後期】10月4日(火)~10月23日(日) |
会場:泉屋博古館東京 (東京都港区六本木1丁目5番地1号) |
開館時間:午前11時 ~ 午後6時(入館は午後5時30分まで) ※金曜日は午後7時まで開館(入館は午後6時30分まで) |
観覧料:一般1,000円 高大生600円 中学生以下無料 |
休館日:月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日、10月11日 |
アクセス:東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅下車、屋外エスカレーターで徒歩3分 |
詳しくは同館の展覧会HPへ。 |
個性的な書画が生まれた背景に激動の中国史

第1展示室「中国絵画―気は熟した」では、明から清時代の書画を紹介。中国の激動の時代に生まれた個性的な作品が集います。住友コレクションを代表する八大山人《安晩帖》や石濤《廬山観瀑図》は、作者についての解説と共に見ると、さらに味わい深いです。

じっくり眺めたい仏教美術
第2展示室の「仏教美術―かたちの彼岸」で展示されている国宝《線刻仏諸尊鏡像》(平安時代)は、鏡の上に緻密な線刻が施されています。光の中から浮かび上がる様は、実に神秘的。眺める角度によって、輝きが異なります。美しさはさることながら、そこに宿る精神性に惹きつけられました。

若冲をはじめとする秘蔵の3点を公開!
第3展示室「日本美術―数寄あらば」には、住友春翠が茶会の空間を演出するために収集した書画や茶道具を展示。秘蔵のコレクションである《佐竹本三十六歌仙絵切 源信明》や若冲の《海棠目白図》、国宝の伝 閻次平《秋野牧牛図》南宋時代もここで見ることができます。春翠が愛した茶の湯の世界を堪能できます。



煎茶会を再現した展示も
第4展示室のテーマは文房具。本来、文房具とは筆や硯だけではな文く、人の文房(書斎)に備えられたあらゆるものを指す言葉で、文人たちは煎茶を飲みながら友との語り合いを楽しみました。その様子が展示室で再現されています。


※展示作品は泉屋博古館および泉屋博古館東京所蔵のものです。
(読売新聞美術展ナビ編集班・美間実沙)