【開幕】木版画で表現された豊かな色彩 「小原古邨 海をこえた花鳥の世界 ―原安三郎コレクションを中心に」展 静岡・佐野美術館

小原古邨《踊る狐》 1904-13年 中外産業株式会社 原安三郎コレクション

小原古邨 海をこえた花鳥の世界ー原安三郎コレクションを中心に

  • 会期

    2022年9月3日(土)10月23日(日) 
  • 会場

  • 観覧料金

    一般・大学生1,100円 小・中・高校生550円

    ※9月19日(月・祝)敬老の日は65歳以上無料

    ※土曜日は小中学生無料

    ※15名以上の団体は各2割引

  • 休館日

    木曜日

  • 開館時間

    10:00〜17:00 (入館の受付は16:30まで)
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近年、注目される絵師として日本美術ファンのなかでも評価の高い小原古邨(1877~1945)。その作品を堪能できる展覧会「小原古邨 海をこえた花鳥の世界 ―原安三郎コレクションを中心に」が、佐野美術館で開幕しました。

左:小原古邨《菫に猫と蝶》1904年頃 中外産業株式会社 原安三郎コレクション、右:小原祥邨《金魚鉢に猫》1931年 小原英樹蔵

古邨は、金沢に生まれ、鈴木華邨に日本画を学び、のちに木版画を手掛けました。なかでも自然描写を得意として、繊細な花鳥画を多く残しました。最近まで日本ではほとんど知られていなかった古邨ですが、海外では多くのコレクターがいて、展覧会も開催されているほどの人気でした。そんななか、2018年に茅ヶ崎市美術館で開催された展覧会をきっかけに、注目されるようになりました。

小原古邨《雪の柳に烏》1904-13年 中外産業株式会社 原安三郎コレクション
手前:鈴木華邨《坪内逍遥著『桐一葉』口絵》1896年 春陽堂 朝日コレクション

本展でも、茅ヶ崎市美術館同様、実業家・原安三郎旧蔵のコレクションを中心にその魅力を紹介しています。摺および保存状態が極めて良いことでも知られる原安三郎コレクション。同コレクションや小原家所蔵の名品に加え、師である鈴木華邨の絵画など約100点が並びます。

小原古邨《蓮に雀》1904-13年 中外産業株式会社 原安三郎コレクション

木版画で表現された豊かな色彩は、同時代に流行した浮世絵と異なる風合いにぜひ着目してほしいと思います。さらに主題となる動物たちの愛らしさ、植物の麗しさも観た人の心を惹きつけます。本展を通して、小原古邨という新たな人気絵師の世界を堪能できるでしょう。
10月23日まで。