「関東大震災映像デジタルアーカイブ」 弁士説明版を公開 被災当時の状況、鮮明に伝える

『大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状』 1923年 京橋端で映画撮影を行っているクルー

1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災について、国立映画アーカイブ(東京・京橋)が所蔵する映画フィルムなどの資料を公開するウェブサイト「関東大震災映像デジタルアーカイブ」(https://kantodaishinsai.filmarchives.jp/)は、当時の模様を記録した『關東大震大火實況』(1923年)の弁士説明版などを9月1日、公開しました。



同アーカイブは国立映画アーカイブと国立情報学研究所(東京・一ツ橋)が昨年9月1日に創設されました。これまでに当時の映像や専門家が映像を読み解いたコラム、映像に関する資料など計17点を公開。撮影場所、写されている事象(シーン)で分類されたクリップ単位での検索・閲覧が可能で、作品のディテールをより深く、横断的に見ることができます。関東大震災発生から100年にあたる2023年9月1日までに、国立映画アーカイブが所蔵する大震災関連の全ての映画フィルムを公開することを目指しています。

冊子「映画『關東大震大火實況』説明台本」(制作年不明)

今回、弁士説明版が制作された『關東大震大火實況』は全66分。昨年9月の創設時に最初に公開されたもので、かつて使用されていた本作の説明台本を元に、弁士の山城秀之さんが新たに台本を作成。今年5月14日に同アーカイブで行われた「活弁伴奏音楽付き上映」を記録しました。

『關東大震大火實況』[弁士説明版]2022年 弁士説明を担当した山城秀之氏

ギターの音色に乗せた弁士の語りが加わることで、それぞれの場面が一層、リアルになり、状況を鮮明に理解できるようになりました。

『關東大震大火實況』[弁士説明版]2022年 伴奏を担当した湯浅ジョウイチ氏

今回、同時に公開された『大正十二年九月一日 帝都大震災第火災 大惨状』(1923年、27分)は『關東大震大火實況』とほぼ同一の素材によって構成された作品です。

『大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状』 1923年 駅舎や車両の被災と無蓋貨車の避難家族
『大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状』 1923年 陸軍造兵廠東京工廠の焼跡
『大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状』 1923年 東北帝國大學救護班の活動

上野精養軒に設けられた救護出張所の様子や、激しく焼損している陸軍造兵廠東京工廠の建物を捉えています。無蓋貨車に避難した一家を収めた場面では、後に大衆音楽の著名な作曲家となる三木鶏郎の幼少期の姿が写っています。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)

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