特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」音声ガイドの置鮎龍太郎さん「静かな環境でじっくり聞いて」

8月6日から始まった特別展「日本美術をひも解くー皇室、美の玉手箱」(東京藝術大学大学美術館)では、人気声優の置鮎龍太郎さんが音声ガイドナビゲーターを務めています。音声ガイド収録後に、美術展ナビがインタビューしました。(聞き手 読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)
Q)音声ガイドの収録をし終えての感想は?
まずこの特別展の情報が出たときに、展示内容に前向きに興味を持つ人の反応がすごく多くて少し驚きました。僕は日本美術には詳しくはないのですが、とても特別な展覧会なんだなと思いました。タイトルにもついていますが、皇室という由緒のあるところ(宮内庁三の丸尚蔵館)が持っている作品なので、目に触れたことがないものがたくさんあると思って、興味深く原稿を下読みして、本番の収録に臨みました。
その中には、狩野永徳の「唐獅子図屏風」や、「蒙古襲来絵詞」、円山応挙など、実物は見たことはないけれども、教科書やテレビなどで結構見聞きしたことあるものや作家が結構ありました。ただ、作者にまつわることや描かれた時代背景などは今回初めて知ったことが多かったので新鮮でした。
Q)音声ガイドは2021年に福岡市博物館で行われた特別展「徳川家康と歴代将軍~国宝・久能山東照宮の名宝~」以来、2回目だそうですが?
初めて展示に関する音声ガイドをやらせていただいて、上手かどうかは置いといて(笑)、自分には向いているなって思っていたので、改めて音声ガイドの仕事ができてうれしいです。
音声ガイドで聞いてみたい声音というのが自分の中であって、それを再現したいと思ってやりました。今回は特に「皇室、美の玉手箱」とうたわれていますので、静かな空間でじっくり聞いてもらいたいと考えました。由緒や品のあるテイストを少し音に入れて、寄り添うように読みました。僕のことを知らない人が聞いてもすっと情報が耳に入ってくるように心がけました。
Q)開幕して特によく見てみたいと思う作品は?
《羽箒と子犬》、円山応挙の《牡丹孔雀図》、《粘葉本和漢朗詠集》ですかね。生だからこそわかるサイズ感や、その時代、時代の技巧の粋が集める細かいところを現物で感じてみたいです。
「日本美術をひも解く」とあるように、日本美術を代表する歴史的な作品から、近現代の作品にいたるまで、さまざまな日本美術の名品が展示されますので、その迫力、あでやかさ、美しさをぜひ現地で感じ取ってもらいたいです。そして、もしよろしければ、僕の音声ガイドも聞いてください。
【置鮎龍太郎(おきあゆりょうたろう)さん プロフィール】
声優。人気アニメを中心に活躍し、主な出演作として『SLAM DUNK』三井寿役、『テニスの王子様』手塚国光役、『パリピ孔明』諸葛孔明役などで知られる。
特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」 |
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会期:2022年8月6日(土)~9月25日(日) |
会場:東京藝術大学大学美術館(東京都台東区上野公園12-8) |
開館時間:10:00~17:00 9月の金・土曜日は午後7時30分まで開館 ※入館は閉館の30分前まで |
観覧料金:一般 2,000円 高・大学生 1,200円 ※中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料 日時予約不要 |
休館日:月曜休館、ただし9月19日(月・祝)は開館 |
※会期中、展示替え及び巻替えあり 前期展示:① 8月6日(土)~8月28日(日)/ ② 8月6日(土)~9月4日(日) 後期展示:① 8月30日(火)~9月25日(日)/ ② 9月6日(火)~9月25日(日) |
詳しくは展覧会の公式HPへ。 |