【開幕レビュー】特別展「もしも猫展」名古屋市博物館で8月21日まで 猫の擬人化を浮世絵師・歌川国芳を主軸に

7月2日から8月21日まで名古屋市博物館で開催されている「もしも猫展」を取材しました。ネコの擬人化カルチャーの源流を、江戸後期の猫好き浮世絵師・歌川国芳に求めた意欲的な展覧会です。

特別展 もしも猫展


仕掛けが満載

図録にはしおりが付いていて猫化できます。展示の「伏線」の回収がグッズでされていたり、閉館のお知らせのBGMが流れると鑑賞者がざわついたり、張りすぎでは?というくらいの伏線と、AR(拡張現実)を含めたデジタルからアナログまで仕掛けの数々に、館を離れるまで気が抜けません。(気楽に楽しめます!)

しおりは複数種類あります

スマホで撮影することで鑑賞体験が倍増!

名古屋市博の豊富な国芳コレクションや個人蔵の国芳作品を軸に約150点を展示。1点《鼠草子絵巻》を除いて、すべてスマホで撮影可。可能というよりも「推奨」です。例えば冒頭に展示のこちらの絵について、問いと答えが最後に紹介されますが、スマホに画像がないと解くのは難しいかもしれません。

歌川国芳《流行猫の曲鞠》天保12年(1841)個人蔵
このシルエットは?!博物館の出口にて

担当学芸員の津田卓子さんは「新しい展覧会の楽しみ方を試行錯誤しながら挑戦しました」と話していました。気になった絵は(上記の1点を除いて)スマホで撮影して、会場で見直したり、家で見返したりしてください。こちらは猫で描いた「を」の当て字(「かつを」のうち)。見直してニヤニヤしています。

歌川国芳《猫の当字 かつを》(部分) 天保14年(1843)個人蔵

比べてわかる国芳のすごさ

津田さんの願いは、国芳の凄さを知ってほしいことだそうです。国芳は、単なるネコ好きなだけでなく、確かな観察に裏付けられた高い描写力がありました。遊郭に集まる人々をスズメとして描いた国芳の絵が、後に別の絵師が同じモチーフを人間で描いた絵よりも、「人の声が聞こえてくるよう」です。

歌川国芳《里すゞめねぐらの仮宿》弘化3年(1846)名古屋市博物館(高木繁コレクション)
左:作者未詳《新吉原仮宅》安政2年(1855)たばこと塩の博物館蔵 右:歌川国芳《里すゞめねぐらの仮宿》弘化3年(1846)名古屋市博物館(高木繁コレクション)

グッズも盛りだくさんでした。後日購入したグッズを紹介します。また、最後の仕掛けがあるので、もしも閉館の午後5時近くになっていても、急いで館を離れず、じっくりとショップなど館内に滞在するのをオススメします。ヒントは蛍の光です。

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

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