【プレビュー】「アンディ・ウォーホル・キョウト」京都市京セラ美術館で9月17日から 門外不出の《三つのマリリン》など日本初公開の作品が100点以上!京都だけの大回顧展

NEW

8月17日から前売りチケットの販売が各プレイガイドで始まりました。

アンディ・ウォーホル・キョウト / ANDY WARHOL KYOTO
会期:2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日)
会場:京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、12月28日~1月2日
観覧料:土日祝一般2,200円(2,000円)/平日一般2,000円(1,800円)/高大生1,400円(1,200円)/小中生800円(600円)
※()内は8月17日(水)~9月16日(金)発売の前売り券の価格
詳しくは公式ホームページ(https://www.andywarholkyoto.jp/)へ

2022年9月17日から2023年2月12日まで、京都市京セラ美術館で「アンディ・ウォーホル・キョウト」が開催されます。

アンディ・ウォーホル 《自画像(髪が逆立ったかつら)》 1986 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York ポラロイド写真の複製 ポラカラーER

巡回なし 京都のみの大回顧展

ポップ・アートの旗手として知られるアンディ・ウォーホル(1928〜1987年)は、アメリカ大量消費社会の光と陰を表現しました。大回顧展となる本展では、商業イラストレーターとして活躍した初期の作品からマリリン・モンローなどの有名人の肖像画シリーズ、事故や死を描いた「死と惨事」シリーズなど、多岐にわたる作品を紹介します。

本展は、アメリカ・ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成される日本初の大回顧展です。絵画・彫刻など約200 点、映像 15 点の展示作品のうち、門外不出の《三つのマリリン》を含む 100 点以上が日本初公開となります。

本展の巡回はなし。京都でしか見られない貴重な展覧会です。

ウォーホルの多彩な創作活動をたどる全5章

本展は5章構成。まず「ピッツバーグからポップ前夜のニューヨークへ」では、商業イラストレーターとして成功を収めた初期のウォーホルの作品を紹介します。

ピッツバーグで生まれ育ったウォーホルは、カーネギー工科大学(現カーネギーメロン大学)の絵画デザイン学科を卒業後ニューヨークに移住し、商業イラストレーターとしての活動を開始します。1952年に新聞広告美術の部門で「アート・ディレクターズ・クラブ賞」を受賞するなど、広告業界で華々しく活躍しました。

アンディ・ウォーホル 《孔雀》 1957 年頃 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

ここで着目したいのが、ウォーホルが独自開発した版画技法「ブロッテド・ライン」です。ブロッテド・ラインは線画にのせたインクを紙に転写する技法で、複製に適していまます。ウォーホルはブロッテド・ラインで同じイラストレーションを複製し、様々な装飾を施しました。装飾には、商業広告には珍しい金箔・銀箔が用いられたことも。その例が、ブロッテド・ラインと日本の金箔・銀箔技術がコラボレーションした《孔雀》です。

アンディ・ウォーホル 《キャンベル・スープ I:トマト》 1968 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York
アンディ・ウォーホル 《花》 1970 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

ウォーホルが商業イラストレーターからポップ・アーティストへ転身したのは1960年、32歳の頃。ウォーホルはシルクスクリーンという技法を用いて、キャンベル・スープ缶など日常にあるものをテーマに、アメリカの大量消費社会を反映した作品を次々に生み出しました。「『ポップ・アーティスト』ウォーホルの誕生」の章では、代表作《キャンベル・スープ缶 I:トマト》などを見ることができます。

1960年代当時、アメリカではポップ・アートが隆盛を極め、ウォーホルはポップ・アート界の中心人物の一人になりました。全米の美術館ではポップ・アートをテーマにした展覧会が開催され、そこでウォーホルの作品は決まって取り上げられたそうです。

門外不出の《三つのマリリン》

アンディ・ウォーホル 《三つのマリリン》 1962 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

幼い頃からハリウッドスターに憧れていたウォーホルは1962年、マリリン・モンローやエリザベス・テイラーなどの有名人を題材とした肖像画シリーズの制作を始めます。
ウォーホルといえば、マリリン・モンローの肖像画を思い浮かべる方も多いでしょう。中盤の章「儚さと永遠」では、日本初公開の《三つのマリリン》 などを紹介。これらの作品を通してウォーホルはアメリカ美術界で不動の地位を築き、同時に自分自身も有名人となっていくのです。

闇に焦点を当てた「死と惨事」シリーズ

アンディ・ウォーホル 《ツナ缶の惨事》 1963 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

ウォーホルは、日常的なモチーフや有名人をテーマとした作品と並行して、社会の闇に焦点を当てた作品も制作しました。最終章「光と影」では、自殺や自動車事故、事故現場を主題とした「死と惨事」シリーズなどを紹介。光と影など、相反する主題に向き合ったウォーホルの複雑な創作姿勢に触れます。

京都への旅 ウォーホルの内面に迫る

アンディ・ウォーホル 《京都(清水寺) 1956年7月25日》 1956年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

大胆で衝撃的な作品、スキャンダラスな私生活――。名声と醜聞の両方を手にしたウォーホルは、謎めいた巨匠として人々の記憶に残りました。本展では、ウォーホルの創作活動だけではなく、内面にも迫ります。

たとえば「ウォーホルと日本そして京都」では、人生の転換期となった初の海外旅行に焦点を当てます。ポップ・アーティストへ転身する前の1956年、「自分へのご褒美」として世界一周旅行に乗り出したウォーホルは、旅の中でもっとも長い期間を日本で過ごしました。6月21日から7月3日までの2週間、京都や東京を訪れたウォーホルは、カメラを持たずスケッチブックに写生しながら旅の情景を記録したと考えられています。

「ウォーホルと日本そして京都」で展示されるのは、京都滞在中のドローイングや地図、お土産などの資料です。展示資料を通して、ウォーホルが日本や京都にどのように魅せられ、インスピレーションを受けたかを感じ取ることができます。

アンディ・ウォーホル 《最後の晩餐》1986 年 アンディ・ウォーホル美術館蔵 © The Andy Warhol Foundation for the Visual Arts, Inc. / Artists Rights Society (ARS), New York

またウォーホルは、カトリック信者としての顔もあわせ持ちます。最終章「光と影」で展示されている、晩年に制作された《最後の晩餐》など、その一面を思い起こさせる作品も紹介。このようにウォーホルの内面に着目することは、ウォーホルの作品や世界観へ没入するための一助となるでしょう。
(ライター・三間有紗)

新着情報をもっと見る