「ルートヴィヒ美術館展」音声ガイドナビゲーターのトラウデン直美さんが語る ケルンと日本の都市とに共通する「伝統と革新」とは

近・現代美術の優れたコレクションで知られるドイツ・ケルン市にあるルートヴィヒ美術館。ピカソやアンディ・ウォーホルらの作品を含む同館のコレクションを紹介する「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡—市民が創った珠玉のコレクション」が6月29日から9月26日まで東京・六本木の国立新美術館で始まります。音声ガイドのナレーションを担当するトラウデン直美さんに、今回の美術展の楽しみ方や、ケルンの街の印象などを聞きました。(聞き手・ライター 片山久美子)

――本展で楽しみにしている作品は?

ピカソなど、みんなが知っている有名なアーティストの作品はもちろんですが、近現代のアートというのは、見てすぐには分からない、これは何だ?という感覚になる作品もたくさんあり、それも楽しみにしています。音声ガイドで紹介する作品の中にある「天使の5つの翼」は、光のレリーフと呼ばれていて、早く実物を見たいです。

――ケルンのルートヴィヒ美術館に行ったことはありますか?

実は2歳の頃に行ったことがあるらしいのですが、全然覚えていなくて……。でも今年の夏に、ドイツのおじいちゃんが95歳の誕生日を迎えるので、今年こそドイツへ行って、その時に絶対美術館へも行こうね、と家族で話しているんです。しっかり目に焼き付けてきます!

――ルートヴィヒ美術館の近代的な建物と、代表的なゴシック建築で世界遺産の大聖堂が隣接しているケルンという街はどんな印象?

私は京都で生まれ育ったのですが、伝統的なものと革新的で新しいものが共存しているという点で、京都とケルンには近いものがある気がして「ふるさと感」を持っています。二つの都市は姉妹都市でもあり、新旧が共にあるところが面白いし、ワクワクします。どちらも否定しないでどちらも受け入れて、守りながら新しくしながら、というあり方はとても大事で、時代に合っていると思うのです。先日、ある人から「伝統を維持したいと思うなら、革新し続けなければならない」という意味の言葉を教えてもらったのですが、本当にその通りで、京都とケルンはそれを体現していると思います。

――この美術展に関して読者の皆さんに伝えたいことは?

今回の美術展のキーワードは「市民コレクター」。ルートヴィヒ美術館のコレクション形成に重要な役割を果たした市民コレクターは、好きだからこそ未来の人々にも美しいと感じてほしいという思いがあり、その思いが込められた作品が今私たちの目の前にあることは非常に感慨深いです。市民コレクターたちの思いを感じながら、そして、できれば音声ガイドを聞きながら見ていただけると嬉しいです。

緑色が大好き!

この日は鮮やかな緑のスカートで登場したトラウデン直美さん。現代アート中心の今回の美術展では、感覚的に「何か好きかも」と感じるような作品を見つけて楽しんでほしいと話していました。「私の『何か好きかも』は、緑の正方形が並んでいるだけの作品なのですが…」と教えてくれたのは、ジョゼフ・アルバースの『正方形へのオマージュ:緑の香』という作品。「緑、お好きですか?」と聞くと即座に「大好きです!今日も緑を身に着けてきました」と答えてくれました。

【トラウデン直美さんプロフィール】
京都府出身。モデル。ドイツ人の父と日本人の母を持つ。慶應義塾大学卒業。「2013ミス・ティーン・ジャパン」でグランプリを受賞。13歳で小学館「CanCam」の史上最年少専属モデルとしてデビュー。2021年7月発売のCanCam9月号にて、専属モデル歴史上最長記録を更新。雑誌やファッションショーのほか「日経ニュース プラス9」「ひるおび!」「めざまし8」など報道や情報番組でも活躍中。2021年1月より「環境省サステナビリティ広報大使」を務める。

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