【プレビュー】特別展「お宝のうら!なか!そこ!」名古屋・徳川美術館で7月24日開幕

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「群鶴図屏風」(「四季花鳥図屏風」裏面)江戸時代 徳川美術館蔵(公開期間:8月17日~9月11日)

 

特別展「お宝のうら!なか!そこ!」
会場:徳川美術館本館展示室(名古屋市東区徳川町1017)
会期:2022年7月24日(日)~9月11日(日)※期間中展示替あり(前期:7月24日~8月16日(水)、後期:8月17日(木)~9月11日)
休館日:月曜日(ただし8月15日は臨時開館)
開館時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
入場料:一般1400円、大・高生700円、小・中生500円
詳しくは展覧会公式サイト

展覧会で公開されている甲冑、刀装具、能面、手箱、屏風、絵巻などは、通常は「表」や「正面」から鑑賞できるように展示されています。贅を凝らして作られた、これらの作品は、「裏」や「内側」まで華美に装飾されたり、別の作品が装幀されたりする場合もあるのです。

この展覧会では、ふだんなかなか目にする機会のない、様々な「お宝」の「裏」や「内側」を紹介するとともに、表からは見えない面に施された仕掛けとその意義について考えてみます。

裏面・内面も豪華絢爛

「群鶴図屏風」六曲一双の内 右隻(「四季花鳥図屏風」伝狩野山楽筆 裏面)江戸時代  18-19世紀 徳川美術館蔵(公開期間:8月17日~9月11日)

 

「四季花鳥図屛風」伝狩野山楽筆 左隻 江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵(参考画像:展示はされません)

江戸時代には婚礼などのためにあつらえられた屏風には、裏にも別の絵が貼り付けられることがあります。徳川美術館を代表する名画のひとつ、伝狩野山楽筆「四季花鳥図屏風」の裏には「群鶴図ぐんかくず」が貼られています。「四季花鳥図」よりも新しくつくられた「群鶴図」は、後世にハレの空間を飾るために両面図屏風に仕立てられたとみられています。

「葵紋扇散蒔絵鼓箱」江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵

「葵紋扇散蒔絵鼓箱」内側

「葵紋扇散蒔絵鼓箱」は、能で演奏される鼓を収納する箱です。器面は梨子地なしじに金・銀の薄板を文様に切って貼る金貝かながいと蒔絵で扇を散らした優美なデザインが表されています。蓋を開けると、蓋裏に大きく葵紋がひとつ、身の内は金銀泥きんぎんでいで描かれた秋草図が全面に貼られています。

裏面は情報の宝庫

「踏皮(白革足袋)」四足の内 徳川家康着用 江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵
「踏皮(白革足袋)」(内側部分)

徳川家康の鹿皮製の足袋は裏側が汚れているため、実際に着用していたとみられています。この足袋によって足のサイズが23㌢ぐらいだったことも分かりました。この内側には「市蔵」などと人名が記されており、これは製作した職人の名前と見られています。

仕掛けや収納箱も

そのほか、貝の裏から色を塗った螺鈿細工らでんざいくや、果実の皮に漆を塗って作られた漆工芸品など、通常の表面の鑑賞だけでは見破ることが難しい仕掛けが裏面や内側に隠されていることがあります。この仕掛けを知ることで、作品の仕組みはもちろん、作者の狙いや製作背景など、さらなる作品の理解につながっていきます。

また、美術館の展示では、作品を収納箱から取り出して作品のみを展示しますが、箱には作者や伝来情報が残されていることがあり、作品の理解には欠かせません。展示の「裏」として収納箱も紹介されます。

夏休みの時期でもありますので、お子さんと一緒に「この箱の中はどうなっているのだろう」「この屏風の裏は何が描かれているのか」といった素朴な疑問から歴史的な美術工芸品に親しむきっかけにもなりそうです。(美術展ナビ編集班 若水浩)

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