【プレビュー】ほのぼのとした牛馬から妖怪どもの宴まで――「夏の優品展 動物の饗宴」 五島美術館で6月25日開幕

五島美術館と大東急記念文庫の収蔵品から、考古をはじめ絵画や工芸、前衛書などに表されたキュートな動物のかたち約60点を紹介する。題材になるのは、ほのぼのとした牛馬、愛らしい鳥たちに加え、瑞々しい魚や怪しい妖怪ども。時代を超えて人々に愛されてきた「動物たちの饗宴」が堪能できる。

重要文化財 《駿牛図断簡》 紙本著色/一幅 鎌倉時代・13世紀 五島美術館蔵

展示は、「陸組」「空組」「海川組」「?組」の4パートで構成。「陸組」の見どころは、重要文化財の《駿牛図断簡》。鎌倉時代に描かれたもので、グラデーションで立体感を表したたくましい姿、精細な毛並みの描写が見事。「空組」では《四季花鳥図屏風 尾形乾山筆》や《水禽埴輪》が見もの。4世紀末ごろから造られるようになった水鳥の埴輪。首を伸ばし、水面を見つめているような優雅な姿は、おそらくハクチョウを表現したものだろう。

《水禽埴輪》 土製/一基 古墳時代・5世紀 五島美術館蔵

「海川組」では「たい焼き」サイズの《白磁辰砂魚形水滴》。水滴とは、硯に使う水を入れておく書道道具。朝鮮時代後期の魚形水滴は長さ10㎝に満たない小品が多く、これぐらい大きいものは珍しいという。「?組」では宇野雪村の書、《野獣》《龍のポーズ》が出展される。前衛書のパイオニアといわれる雪村。文字と非文字の中間の表現を追究した雪村、その「かたち」の面白さが十分に堪能できる。

《白磁辰砂魚形水滴》 磁器/一個 朝鮮時代・19世紀 五島美術館蔵(宇野雪村コレクション)

同時開催の特集展示は「江戸時代の言葉遊び」。大東急記念文庫新収資料のなぞなぞ・茶番・判じ物など、江戸時代の本や一枚刷りを初公開する。江戸時代後半に出版された《新板なぞなぞづくし》は、「○○とかけて、××ととく」でおなじみ「三段謎」などを扱った本。口絵には、「謎興行」の受付が描かれており、この当時、親子連れでそういう興行を楽しむ人も多かったことがうかがわれる。会期中一部展示替えあり。詳細は、HPで確認を。

(美術展ナビ取材班)

夏の優品展 動物の饗宴
会場:五島美術館(東京都世田谷区上野毛3-9-25)
会期:2022年6月25日(土)~7月31日(日)
休館日:月曜休館、ただし7月18日は開館し、翌19日が休館
アクセス:東急大井町線上野毛駅から徒歩約5分
入館料:一般1000円、高・大学生700円、中学生以下無料。
詳しくは※同館HP:https://www.gotoh-museum.or.jp/へ。

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