50年前に東博100周年とメトロポリタン美術館展が! たばこの「パッケージで時間旅行」(たばこと塩の博物館で7月3日まで)

「東京国立博物館創立100年記念」「メトロポリタン美術館展記念」「ミロのビーナス特別公開記念」など歴史的な展覧会の記念たばこ

かつて「記念たばこ」「観光たばこ」と呼ばれた特別なパッケージデザインのたばこが販売されていたのをご存知ですか?たばこと塩の博物館(東京都墨田区)で7月3日まで開かれている「パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界」展は、注目の行事や観光地の祭りなどをモチーフにしたパッケージで歴史を振り返り、旅の気分も味わえる、そんな展覧会です。大正・昭和のレトロなデザインを堪能し、子どものころ胸を躍らせたイベントを追う懐かしい旅に出かけてみませんか?(ライター・片山久美子)

パッケージで時間旅行 記念・観光たばこの世界
会期:2022年5月28日(土)~ 7月3日(日)
会場:たばこと塩の博物館(東京都墨田区横川1-16-3)
休館日:月曜日
開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで)
アクセス:東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」より徒歩8分)
料金:一般・大学生 100円、満65歳以上(要証明書) 50円、小・中・高校生 50円
詳しくは博物館のホームページ

始まりは大正天皇即位式

「記念たばこ」とは、様々な記念行事に際して、期間限定の特別なパッケージデザインで販売されたたばこです。1915(大正4)年に大正天皇の即位式(御大典)を記念して販売された「八千代」がその始まりでした。記念たばこの販売は、第2次世界大戦後に復活し、1993年度まで続きました。


第一次世界大戦の終結とその後の講和条約発効を記念して販売された「ピース」。平和を願ったネーミングだったんですね。

第一次世界大戦終熄記念「ピース」1920年(たばこと塩の博物館)

そして1959年、当時の皇太子(現在の上皇)ご成婚を記念したピースのパッケージは、日本画の巨匠、川端龍子のデザインでした。

皇太子ご成婚記念 1959年(たばこと塩の博物館)

高度経済成長期と64年東京オリンピック

この頃から、高度経済成長期を象徴するような記念たばこが登場します。
まずは1964年の東海道新幹線と首都高の開通記念たばこ。同年の東京オリンピック開催へ向けて、日本はインフラ整備を進めてきました。丸い鼻がかわいい0系新幹線、当時は夢の超特急と呼ばれていました。

そして東京オリンピック。TOKYO2020は記憶に新しいところですが、TOKYO1964の記念たばこは、五輪カラーを意識したデザインでした。

東京オリンピック記念 1964年(たばこと塩の博物館)

宇野亞喜良の20代のデザイン 若手が自由にデザイン

主任学芸員の鎮目良文さんによると、この時代は若手のイラストレーターやデザイナーが自由に活躍することができた時代だったようです。ファンタジックな少女を描くイメージが強い宇野亞喜良のまだ20代の頃のこんなデザインに出会えるなんて、貴重な体験でした。

EXPO70と地方博

1970年には、大阪でアジア初の万国博覧会が開かれます。岡本太郎の「太陽の塔」は、50年以上経った今でも新鮮なデザインで大阪・千里の万博記念公園にそびえ立っていますが、当時の小学生にとって、その姿はそれはそれは衝撃的でした。太陽の塔は、写真右下のhopeのパッケージにも。描いたのはイラストレーターの真鍋博。星新一の本の表紙や挿絵を多数手がけているので、絵に見覚えがあるという人も多いのでは。

1975年の沖縄海洋博は、今年50周年を迎えた沖縄復帰を記念して開かれた博覧会です。この後、1980年代から90年代にかけて地方博覧会の開催がブームとなり、記念たばこも次々と販売されました。

展覧会たばこも!

美術展ナビ的に気になるのは、やっぱりこちらの展覧会記念たばこ。1964年のミロのビーナス展など、懐かしく思われている方、いらっしゃるのでは?
1972年のたばこには、東京国立博物館創立100年記念とメトロポリタン美術館展記念がありました。くしくも50年後の今年、東京国立博物館が創立150年で、メトロポリタン美術館展が開催されました。

コレクターに人気だった「観光たばこ」

「観光たばこ」は、1967年から1993年度まで、全国の観光地やお祭りを期間限定でパッケージデザインに使ったたばこです。かさばらない、重くない、値段も手ごろということで、行く先々でコレクションする人や、お土産に買い求める人が多かったといいます。
発売当初はイラストで各地の名所やお祭りを表していましたが、その後は写真を使用するようになりました。

最終年となった1993年度の観光たばこ大集合

最後に、これを見て懐かしいと感じてくれる人がいたらうれしいです。
たばこパッケージのペーパークラフト。おじいちゃん、おばあちゃんの家の飾り棚にありませんでしたか?

広報担当主任の袰地由美子さんは「記念たばこや観光たばこを昔コレクションしていた方で、懐かしいと言って下さる方もいらっしゃいます。そんなふうにこの展覧会を見ていただけるとうれしいです」と話しています。

ショップはレトロなグッズがたくさん

ショップを覗くと、大正・昭和のデザインの展示にちなんで、昭和レトロな一角が。昭和家電の手ぬぐいには目が釘付けでした。

店長におすすめを聞いてみると、2009年に刊行の『ポケットの中のデザイン史 日本のたばこデザイン 1945▶2009』という本をすすめられました。たばこパッケージの歴史はもちろん、その生き証人であるデザイナーさんたちの鼎談のほか、戦後のパッケージデザイン全般についても簡潔にまとめられていて、この分野に興味がある人にはたまらないかも。

そしてこちらのかわいい四角いものは、マッチかと思ったらマッチ型付せんでした。最上段「カラピス」には笑わされました……。昭和レトロでまとめられたグッズコーナーでした。

「パッケージで時間旅行」展は7月3日まで、たばこと塩の博物館で。

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