週末いきたい美術館・博物館 「国宝 東京国立博物館のすべて」の予習をゆっくりスタート

今年は東京国立博物館が創立150年。10月には、特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」で国宝全89件が出展されることが今から話題となっています。展示替えがあるので、89件すべてを見るには、期間中最低3回行くことが必要ですが、1回行けば60件くらいの国宝を一度に見ることができます。

とはいえ、バラエティーに富んだ何十点もの国宝を一気に見ても、頭のなかで消化できるかどうか……。
今から少しずつ「予習」をしていくのはどうでしょうか?

東博の常設展で

東京国立博物館の総合文化展(常設展)では、実は今も89件のうち複数の国宝が展示されています。10日(金)に実際に行ってみたところ、9件の東博所蔵の国宝を見ることができました。

作品保護のため年間の展示期間が短めに決まっている絵画などとは異なり、考古遺物や法隆寺献納物の金工は比較的、長期間の展示が可能なようです。

法隆寺宝物館は正面入り口から見えない奥に位置しているのでいつも比較的空いています

最初に行ったのが法隆寺宝物館です。国宝を含む法隆寺献納宝物を展示するための専用の建物です。法隆寺献納宝物の中で国宝は11件を数えます。このうち、①「灌頂幡」、②「鵲尾形柄香炉」、③「竜首水瓶」、④「墨台・水滴・匙」、⑤「海磯鏡」(2面)の計5件が展示されていました。

平成館。現在は特別展「琉球」も開かれています

次に行ったのは平成館。館内の日本の考古コーナーでは、⑥「扁平鈕式銅鐸」、⑦「東大寺山古墳出土品」、⑧「文祢麻呂墓出土品」、⑨「江田船山古墳出土品」などの国宝が展示されていました。考古出土品は点数が複数なものが多いですが、展示スペースがしっかり確保されている日本の考古コーナーでの予習がオススメです。

平成館の次は本館です。本館では今、東博所蔵の国宝は展示されていませんでしたが(寄託されている国宝は展示されているものがあります)、本館1Fの大階段の両脇にある体験展示「日本美術のとびら」と「日本文化のひろば」が予習にぴったりでした。

「日本美術のとびら」では、本物でなく画像や複製ですが、東博の国宝をじっくりと見ることができます。6月26日(日)までは⑩狩野永徳の「檜図屛風」の高精細複製品が展示されています。ガラスケースはないので、かなり近づいて細かい部分を見ることができます。

日本美術のとびらに展示されている国宝「檜図屛風」の高精細複製品

「日本文化のひろば」では、いろいろな体験のひとつに、⑪国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」(尾形光琳)をもとにオリジナル硯箱をデジタルで作るコーナーがありました。

記者がタッチ端末で作ってみた「八橋蒔絵螺鈿硯箱」の画像。国宝の画像ではありません

水の流れ、カキツバタ、橋などのデザイン要素を、タッチ端末の画面上にポンポンと好きなところへ置いていくだけで完成。光琳のデザインのエッセンスを感じるとともに、光琳のすごさをあらためて体感できました。データはスマホにダウンロードでき、プリントアウトして立体にすることもできます。

他館で予習

刀・正宗が徳川美術館や林原美術館で

国宝89件のうち19件を占めるのが「刀剣」です。今は展示されていませんので、他館での参考になる展覧会を紹介します。

東博の国宝刀剣の⑫「刀 無銘 正宗(名物 観世正宗)」や⑬「刀 金象嵌銘 城和泉守所持正宗磨上本阿(花押)」の「正宗」は、日本刀の代名詞でもあります。名古屋市の徳川美術館では、特別展「名刀正宗と相模伝」が7月18日まで開かれ、国宝「短刀 無銘 正宗(名物 庖丁正宗)」や重要文化財「刀 金象嵌銘 正宗磨上 本阿弥(花押)(名物 池田正宗)」などが展示されています。
また、岡山の林原美術館で開かれている企画展「GOLD―永遠の輝きを探しに―」(6月19日まで)では、国宝「短刀 無銘 正宗(名物 九鬼正宗)」が展示されています。

九州国立博物館の文化交流展示室(常設展)で

東博の国宝の刀剣に、⑭「太刀 銘 来国光 嘉暦二年二月日」があります。九州国立博物館も国宝「太刀 銘 来国光」を所蔵しており、九博の文化交流展示室(常設展)で6月19日まで展示中です。

奈良国立博物館の「大安寺のすべて」で

東博国宝89件には、他館で展示されている国宝もいくつかあります。そのうちのひとつ、鎌倉時代の書跡である⑮「三宝絵詞」は、奈良国立博物館で開催中の特別展「大安寺のすべて」の後期(6月19日まで)で展示されています。

龍谷ミュージアムの「ブッダのお弟子さん」で

東博国宝89件のひとつ、平安時代の絵画である⑯「十六羅漢像」が、京都の龍谷ミュージアムで6月19日まで開かれている特別展「ブッダのお弟子さん」で展示されています。
今年10月~12月に「国宝 東京国立博物館のすべて」に行きたいと考えている方は、ご参考にしてください。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

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