週末いきたい 書籍化されていた、あの展覧会の図録3冊

雨の多い6月になりました。「週末いきたい」では、毎週文字通り「行ける」展覧会を紹介していますが、今回は書籍化された展覧会の”図録”を紹介します。気になる展覧会でも遠方だったり、すでに終わってしまっていたりということはままあります。「最澄と天台宗のすべて」や「フェルーメル展」、「美男におわす」などのように通販で購入できる場合もありますが、一般書籍化されていると、近所の書店で取り寄せるなど、さらに手軽に読むことができるでしょう。

『北斎 HOKUSAI 日新除魔図の世界』

1冊目は、九州国立博物館で6月12日まで開催されている特別展「北斎」の公式図録『北斎 HOKUSAI 日新除魔図の世界』(2970円、講談社)。九州国立博物館のみ公開を許された門外不出の「日新除魔図」219枚すべてが掲載されています。特別展示の小布施(長野県)の天井絵「龍図」と「鳳凰図」も載っています。
・講談社のHP

 

『新書版 性差(ジェンダー)の日本史』

2冊目は、『新書版 性差(ジェンダー)の日本史』(924円、インターナショナル新書)です。2020年秋に国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で開催された企画展示「性差(ジェンダー)の日本史」は大きな話題となりました。図録は、歴博の展示図録の中でもっとも分厚く、重さは1・4キログラムもあったそうです。この分厚い図録を、手軽に読めるように新書化されたのが本書で、昨年10月に刊行されました。
「ジェンダーをテーマにした展示がまたどこかで開催されることを期待したいと思います」(205ページ)とありますが、東京の渋谷区立松濤美術館では今年9月から「装いの力―異性装の日本史」が開催されるなど、広がりを見せています。

・集英社インターナショナルのHP

『玉~古代を彩る至宝~』

3冊目は、古代歴史文化協議会編『玉~古代を彩る至宝~』(1980円、ハーベスト出版)です。古代歴史文化協議会は、島根県や埼玉県など14県が連携して2014年に設立され、各県の研究担当者が3年半にわたって「古墳時代の玉類」をテーマに共同で調査研究。2018~19年にかけて、江戸東京博物館と九州国立博物館で展覧会「玉~古代を彩る至宝~」が開催されていました。橋本麻里さんのツイートで初めて知りました。

国立科学博物館で開催されている宝石展を見ていて、「そういえば日本の歴史的なジュエリーはどのようなものだったのか?」と思っていたので、ぴったりな本でした。

調査研究成果をまとめている考古学の本なので、文章はちょっと硬めですが、オールカラーで写真や図版が豊富。なお、ハーベスト出版は島根県の出版社です。

東京の大田区立郷土博物館では、特別展「大勾玉展-宝萊山古墳、東京都史跡指定70周年-」が8月2日から開催されます。この展覧会までに勉強しておこうと思います。

・ハーベスト出版のHP

ちなみに冒頭に紹介した図録の通販をしているMARUYODOのラインナップでは、『貝殻旅行―三岸好太郎・節子展―』をオススメ。北海道、富山県、兵庫県、愛知県の巡回展だったので、特に関東のアートファンの方には発見があるかもしれません。

(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)

 

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