もう使ってみた?新式「ぐるっとパス2022」でミュージアムを回ろう

アートファン御用達のコスパ最強アイテム「ぐるっとパス」が、2022年4月から大きく変わりました。今までは各施設のチケットが綴られた冊子(チケットブック)を持ち歩く方式でしたが、今年度よりQRコードがその役目を担うことに。
果たして使いやすいのか? 便利になったのか? チケットブックに慣れた身としては、いまいちイメージが湧きにくかったので、実際に新しくなった「ぐるっとパス2022」を購入して使ってみることにしました!

まずはおさらい。「ぐるっとパス」とは?

情報の集約が見事な「ぐるっとパスガイドブック」は必見! 公式サイトにてダウンロードできます。(ぐるっとパスガイドブックより)

ここで一度、ぐるっとパスとは何かを振り返ってみましょう。
ぐるっとパス(正式名称:東京・ミュージアム ぐるっとパス)は、東京を中心とする101の美術館・博物館等の入場券・割引券が、1つにまとまったお得な周遊チケットです。
価格は2,500円(2022年度版)。使用期間は、そのパスを使い始めた日から2か月間なので、見たい展覧会が集中している期間に購入すると、あっという間に元が取れてしまうという驚異的なコストパフォーマンスを誇るチケットとなっています。

(ぐるっとパス2022公式サイトより)

お目当ての施設がぐるっとパス2022の対象かどうかは、公式サイトや、ぐるっとパス2022ガイドブックでチェックが可能です。対象施設が一覧でわかるうえに、パスのみで入場可能か、差額が必要かも記載されています。
▶ぐるっとパス2022公式サイト:https://www.rekibun.or.jp/grutto/

実際に購入してみました

新しくなったぐるっとパス2022のQRコードは、2種類あります。ひとつはスマートフォンにQRコードを表示して使う電子パス、もうひとつはQRコードが印字されているカードタイプです。

こちらが「ぐるっとパスカード」。東京メトロや、都営交通の1日乗車券とのセット販売は、カードタイプのみとなります

電子パスは、オンラインでの購入が可能。カードタイプを希望する場合は、対象施設の窓口や、その他の販売窓口にて購入できます。私はカードだと無くしそうなので、今回は電子で……。

(ぐるっとパス2022公式サイトより)

購入はとても簡単。ぐるっとパス2022の公式サイトへ行くと、「オンラインチケット購入」のボタンがあるので、そちらをクリックします。すると購入画面に移行するので、案内に沿って進むだけです。

購入完了のメールと共にQRコードの画像が届くので、これを対象施設のチケット売り場で提示すればOK。3分ほどで購入手続きが完了しました。オンラインなら24時間、どこでも買えるというのは便利ですね。
※最初にWebketという、オンラインチケット会社への会員登録があります。Webketのマイページからも、QRコードをダウンロードすることができます。

いざ、美術館へ!

 

東京都庭園美術館

それでは実際に使用してみましょう。
最初の訪問先は、現在「建物公開2022 アール・デコの貴重書」展が開催中の、東京都庭園美術館へ。

Webketからダウンロードした、ぐるっとパス2022のQRコード。コメントを入れられるので、有効期限を書いておくと便利です

チケット売り場でQRコードを見せると、そちらがスキャンされます。これで入館手続きは完了です。一般的なオンラインチケットの扱いとほぼ同じですね。記念の半券をもらって、いざ入館!

建物公開展の見どころのひとつ、「情景再現」。大食堂のテーブルデコレーションをはじめ、各室に合わせた再現展示が行われています

東京都庭園美術館は、年に一度「建物公開」として、美術館自体に注目する期間を設けています。
1933年に竣工した旧朝香宮邸(現在の東京都庭園美術館本館)は、室内装飾家であるアンリ・ラパンが主な部屋の内装設計を、ガラス工芸で知られるルネ・ラリックらが作品を提供するなど、フランスのエッセンスがちりばめられた本格的なアール・デコ様式の建築です。
もちろん日本の技術者たちも数多く携わっています。設計と管理は、宮内省所管の設計管理を司る「宮内省内匠寮」が手がけました。
輸入したのではと見紛う照明やラジエーターカバーも、内匠寮の技術者たちによるものです。

つまりここは、日仏の粋が詰まった、建物そのものが作品ともいえる美術館。「建物公開」は、改めてその素晴らしさに向き合える好機です。
今回の「建物公開2022 アール・デコの貴重書」展では、庭園美術館が所蔵するフランスの装飾美術に関する書籍や雑誌、1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料等が展示されています。よく見ると、雑誌に掲載されている照明と、似た照明が設えられているのがわかりますね。

画像J:左 『アール・エ・デコラシオン(芸術と装飾)1923-29年』パリ、リブレリー・セントラル・デ・ボザール(中央美術出版社)1923-29年 東京都庭園美術館蔵

また、「姫宮寝室」とその奥の「姫宮居間」の壁紙は、なんと竣工当時のものだそう。当時の壁紙を今も使っている部屋は、館内でこの2部屋のみだとか。こちらの部屋は常時公開されてはいないため、立ち入ることができる貴重な機会となっています。

姫宮居間
(丸窓への矢印は虹が追加)

さて、建物自体と向き合う本展にちなんで、お土産にマスキングテープとクリップを購入してみました。クリップの装飾は「第2階段の丸窓」、マスキングテープは「小客室のラジエーターカバー」の模様です。装飾の一部をグッズとして持ち帰ることができるのは嬉しいですよね。


はずせないお楽しみは展示の他にも

東京都庭園美術館のお楽しみと言えば、展示のほかにもカフェ、レストラン、そして庭園散策が挙げられます。
美しい緑を眺めながら、美味しい食事が楽しめると評判の「Du Parc(レストラン デュ パルク)」。満足度が高いと言われるランチコースをと出かけましたが、なんと予約で満席に……。というわけで、土日祝日に来館される方は、ぜひ予約をしてから行ってください。

Du Parcは入館手続きをしなくても利用可能です。また、ランチのほかにカフェも楽しめます

気を取り直して、美術館内にある「café TEIEN(カフェ庭園)」へ。こちらのカフェでは、展覧会をイメージしたケーキをいただくことができるのです。──が、生憎この日は早々に売り切れてしまったそうで……。そんなわけでイメージケーキを希望される方は、早めの利用をおすすめします。
とはいえ、他のケーキも美味しいので結果オーライ。今の時期はテラス席で緑を眺めながらの休息も良いですね。帰りは庭園をのんびり散歩して退館しましょう。

café TEIENでは、テラス席と室内席を選ぶことができます

エリアで使える、ぐるっとパス2022

「東京都庭園美術館のほかに、もう一か所ハシゴしたい」という方に勧めたいのが、目黒区美術館。こちらもぐるっとパス2022の対象施設となっています。少し足を延ばして郷さくら美術館や、アクセサリーミュージアムも良いですね。
また、対象施設ではありませんが、大好評の「大正ロマン×百段階段」展が開催中のホテル雅叙園東京までは徒歩約10分。和と洋、それぞれ匠の技で満ちた建築を満喫できるコースになります。

思わぬ出会いが見つかることも

101もの施設の中には、まだ見ぬ出会いがたくさんあるはず。(ぐるっとパスガイドブックより)

今回QRコード式のぐるっとパス2022を使ってみた感想として、その最大の利点は「常にチケットブックを持ち歩かなくても良い」、これに尽きると思いました。
チケットブックにはパラパラとめくりながら行き先を決める楽しみがあるのですが、出先で偶然時間ができ、かつ対象施設が近くにあったときに、「ぐるっとパスを持ってくれば良かった」と嘆くこともしばしばあったのです。それが回避できるのは大きなポイントだと思います。

見たい展示がたくさんあるのは素敵なことです。けれどあれこれ見て回るには、懐具合が厳しかったりもしますよね。そんな時の強い味方が、ぐるっとパス2022です。
しかし、それだけではありません。今まで訪れたことのない施設との出会いがあるのも、このパスの大きな魅力です。
まだ使ったことがない方も、既にヘビーユーザーとなっている方も、新しくなったぐるっとパス2022を使って、多くの施設を楽しんでみませんか?
(ライター・虹)

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