【プレビュー】「こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界」 世田谷美術館で7月2日開幕

『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)より ©わかやまけん

こぐまちゃんとしろくまちゃん 絵本作家・わかやまけんの世界
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
会期:2022年7月2日(土)~9月4日(日)
休館日:月曜日 ※ただし7月18日(月・祝)は開館、翌7月19日(火)は休館
開館時間:10時~18時(入場は17時30分まで)
入場料:一般1,200円、65歳以上1,000円、大高生800円、中小生500円
※6月1日(水)正午より日時指定券発売(オンライン・クレジット決済またはd払い)
詳しくは展覧会公式サイトへ。

累計発行部数1,000万部超のベストセラー絵本シリーズ「こぐまちゃんえほん」(こぐま社)などで知られる絵本作家・わかやまけん(若山憲、19302015年)。その創作の全貌に迫る、初の大規模回顧展です。絵本原画や絵本の制作過程で刷られたリトグラフをはじめ、雑誌の表紙原画、関連資料など約230点で若山の多彩な創作活動を振り返ります。

岐阜県出身の若山は、グラフィックデザインの仕事を経て24歳で上京。教科書の挿絵や紙芝居などを手がけた後、1967年から本格的に絵本作家としての道を歩み始めます。

それから数年後の1970年に誕生したのが「こぐまちゃんえほん」シリーズです。なかでも大人気の『しろくまちゃんのほっとけーき』は、子どものころ大好きだったという人や、いま子どもが読んでいますという人も多いのでは?

「日本の子どもたちがはじめて出会う絵本を作りたい」というコンセプトのもとに生まれた同シリーズ。実は、若山ひとりの手で作られたものではありません。こぐま社の創業者であり編集者でもある佐藤英和が発案し、劇作家の和田義臣、児童文学者の森比左志、そして作画担当の若山が集まり、「こぐまちゃんえほん」は生まれました。テーマの設定からストーリー展開、文とことば、そして絵にいたるまでの全てを4人の合議制で制作していたとのこと。本展では、その誕生から創作の過程までを下絵やリトグラフなどを通して紹介します。

「こぐまちゃんえほん」下絵、1970年 原画/こぐま社蔵
『こぐまちゃんのみずあそび』(1971年、こぐま社)より リトグラフ/こぐま社蔵

「こぐまちゃんえほん」シリーズといえば、美しい色が魅力の一つ。その発色の美しさの秘密は、印刷方法にあります。6色の特別な「こぐまちゃんインク」を1色ずつ刷り重ねる方式で作られており、若山は1ページの絵のために6枚の原画を描いていました。本展では『しろくまちゃんのほっとけーき』表紙絵の「描き分け原画」も展示し、その制作工程を知ることができます。

さらに、『りぼんをつけた おたまじゃくし』や若山の代表作『きつねやまのよめいり』などの初期作のリトグラフや原画も展示。淡い色彩で描かれた絵には、「こぐまちゃんえほん」とはまた違う魅力があります。

『りぼんをつけた おたまじゃくし』(1967年、野村トーイ)より 原画/個人蔵
『きつねやまのよめいり』(1978年改訂新版、こぐま社)より リトグラフ/こぐま社蔵

若山は自ら絵と文を手がけた「創作絵本」をはじめ、新美南吉・作『てぶくろをかいに』や『ごんぎつね』などの名作絵本、口承で語り継がれた民話の絵本、雑誌の表紙絵など幅広く活動しました。詩集の挿画にも積極的に取り組んでいたといいます。本展では、そうした若山の多様な表現世界にも触れることができます。

『おばけのどろんどろん』(1980年、ポプラ社)より 原画/個人蔵
『あかべこのおはなし』(1980年、こぐま社)表紙 リトグラフ/こぐま社蔵
『保育の友』1982年8月号(1982年、全国社会福祉協議会出版部)表紙原画/個人蔵

そして、見逃せないのが展覧会オリジナルグッズの数々。「こぐまちゃんえほん」のかわいさ満点のアイテムばかりで、期待しかありません!

《神戸風月堂》ミニゴーフル 1,080円
トートバッグ 1,650円
マスキングテープ各種 550円
メモパッド 770円

731日(日)までに来場すると、「こぐまちゃん」ぬりえ(1人につき1枚まで)がもらえるそう。この夏、親子で楽しめる展覧会の一つです。

(ライター・岩本恵美)

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