【次回のぶら美】茨城の新しいアートスポット、筑西市に注目 板谷波山の名品も堪能 BS日テレ5月24日放送

【BS日テレ  ぶらぶら美術・博物館】

★第407回 筑波山のお膝元へ!新アートスポット旅

~隈研吾建築「石で消える美術館」から超お宝旅客機、宮家にも愛された陶芸家・板谷波山の美しき器~

★5月24日(火)よる8時放送 番組ホームページ

今回は茨城県西部に位置する筑西(ちくせい)市をめぐります。東京から電車で2時間程度という便利なロケーションで、新しいアートスポットとして注目を集めているからです。

まずは、東京ドーム22個分の広さを誇る観光スポット「ザ・ヒロサワ・シティ」へ。まだオープン前の「科博 廣澤航空博物館」の中を特別に見せてもらいました。戦後初の国産旅客機「Y S11」や「零戦」が収蔵されています。戦後、航空機製造禁止の期間から完成までの裏話や、こんな大きな機体をどうやってこの博物館まで運んできたのか、という輸送秘話に「へ~」の連発です。「ザ・ヒロサワ・シティ」には新幹線車両や蒸気機関車などもすでに運ばれており、レールパーク(鉄道博物館)のオープンも予定されているそうです。

次は、同じ敷地内に2021年オープンした隈研吾さん設計の「廣澤美術館」。美しい庭園と共に美術館を囲うのは、全国から集めた1500個・約6千トンもの自然石です。お庭を散策しつつ、隈さんが挑んだ「石で消える美術館」を堪能します。館内には、地元出身の近代陶芸家・板谷波山の作品がズラリ。

一行は、この「廣澤美術館」とJ R下館駅から徒歩7分の距離にある「しもだて美術館」、そのすぐ近くにある「板谷波山記念館」で同時開催をしている「生誕150年記念 板谷波山の陶芸」展を拝見することにしました。

「しもだて美術館」に着くと、板谷波山研究の第一人者・学習院大学教授の荒川正明さんを迎え、波山の珠玉の名品を解説してもらいました。国指定の重要文化財や宮家の依頼で制作したといわれる逸品など盛りだくさんです。波山の代名詞である、薄絹をまとったような幻想的な “葆光彩磁”など、端正で格調高い作品は一体どうやって作られたのでしょう。

そして「板谷波山記念館」では、波山が故郷の人々に贈った“あるもの”を拝見。そこには、東京・田端に窯を持ち終生陶芸に打ち込んだ波山の、ふるさと・下館(現・筑西市)に対する深い想いを感じることができます。

この夏行きたい、穴場のアートスポット。その魅力をたっぷりお届けします。

(読売新聞美術展ナビ編集班)