2024年の大河ドラマ、主人公は紫式部! 「光る君へ」 主演は吉高由里子さん 道長への想いを軸に描く

2024年の大河ドラマ「光る君へ」で、主演の吉高由里子さん(左)と作者の大石静さん

2024年のNHK大河ドラマのタイトルは「光る君へ」。世界最古の長編小説といわれる「源氏物語」の作者、紫式部が主人公で、主演の吉高由里子さんが「紫式部/まひろ」役を演じます。作者は大石静さん。NHKが5月11日、発表しました。藤原道長への想いが光源氏のストーリーを生み出した、という設定といい、古典文学ファンは大いに盛り上がりそうです。「源氏物語」をテーマにした数多くの美術作品にも改めてスポットがあたりますね。

◇2024年大河ドラマ『光る君へ』

放送予定:2024年1月~

制作スケジュール:2023年夏、クランクイン予定

作:大石静

<役柄> 紫式部/まひろ
平安時代、10世紀後半に京に生を受ける。名前は「まひろ」。藤原家の生まれではあるが、父は受領階級で、けっして裕福ではなかった。幼いころ母を失うが、学問をつかさどる父のもとで、並外れた文学の才を発揮し、想像力と好奇心を育んでいく。まひろは、考え深く鋭い感性を持つ女性へと成長する。
数歳年上の藤原道長とは、少女の頃知り合い、惹かれ合うも、身分差に阻まれる。やがてはるかに年上の男性と結婚して娘を授かるも、死別。一人娘を育てながら、のちに「源氏物語」として知られる長編小説を書きはじめる。
道長との縁が絶えることは、終生なかった。彼への愛憎は、まひろの人生をさいなみ、そして花開かせる。「源氏物語」の評判が高まり、まひろは、道長の求めで、その長女の中宮・彰子に仕える宮中の女房となる。現代でいえば華やかなキャリアウーマン。一方で、まひろが書きつづる「源氏物語」は、道長のバックアップを受け、天皇や貴族の間で大ベストセラーとなる。ヒロインの紫の上にちなんで、まひろに「紫」の呼び名が冠されるほどだった。

吉高由里子さん(主演・紫式部/まひろ役)コメント
2014年に連続テレビ小説『花子とアン』に出させていただいてから、それから今回の作品は2024年で10年目を迎える、10年ぶりに大きな長い作品に携わることができます。女性をテーマにして、スタッフさんも今回は女性のかたが多くて、男の人を中心に動いていた時代かもしれないですけど、女の人が表に立つような、光が差すような内容をやっていくうえで、たくさんの人に共感していただけるような主人公を表現できたらいいなと思っています。平安時代については、私も学生時代以来に触れるんですけど、これから改めて勉強することになると思いますが、それも楽しみです。1年半という長い収録期間に、どんな日々が待っているのかなとか、どんな風景が待っていて、どんな着物があるんだろうとか、想像できないくらい、願ってもみなかったお仕事です。次にまたNHKでお仕事するときは時代物がいいなと思っていたんですが、まさかこんなに時代をさかのぼるとは思ってもなく(笑)、これから楽しみながらハラハラとしていく日々が待ち遠しいばかりです。

大石静さん

大石静さん(作者)コメント
私は2006年に1回、大河ドラマ『功名が辻』をやらせていただき、「また大河ドラマをやりたいな」と思っていましたがさっぱりお声もかからず。だんだん年をとってきたから「もう無いな」と思っていたら、ひょっこりこのお話がありました。
ただ、平安時代のお話ということで「それって誰が見るのかしら」と最初は思い、とても不安な気持ちになりました。しかし、ちょっと勉強してみますと、紫式部は生没年も不明ですし、お墓もどこにあるか分からないし、日記を残していますけど本音は書いてないし、という感じで、これはオリジナルとして相当いろいろ構築できるなと思い、挑戦しがいがあるなと思って、人生最後の賭けだと思って一か八かでお引き受けしました。
この紫式部は藤原道長に若き日に出会うんですけれど、そこからの彼への愛と執着と憎しみと、結婚したりはしないんですけど、最後までツインソウルのように絡み合う2人の感情を描いていきたいと思っています。どうぞ皆さんよろしく盛り上げてください。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)