【開幕】「建物公開2022 アール・デコの貴重書」東京都庭園美術館で6月12日まで

建物公開2022 アール・デコの貴重書 |
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会場:東京都庭園美術館 (東京都港区白金台5-21-9) |
会期:2022年4月23日(土)~6月12日(日) |
休館日:月曜日 |
アクセス:東京都港区白金台、JR山手線、東急目黒線「目黒」駅から徒歩約7分、都営三田線、東京メトロ南北線「白金台」駅から徒歩約6分 |
入館料:一般 1,000円/大学生(専修・各種専門学校含む) 800円/中・高校生 500円/65歳以上 500円 |
日時指定の予約制。詳細は公式サイトへ。 |
開幕前日の内覧会を取材しました
1933年竣工のアール・デコ様式の旧朝香宮邸(東京都庭園美術館本館)。年に一度の建物公開展「建物公開2022 アール・デコの貴重書」が4月23日から6月12日まで開催されています。開幕前日の内覧会を取材しました。
館内では、窓からの自然光とラリックのシャンデリアが照らす大食堂にうっとりさせられます。
ふだんは展示作品保護のために閉められているカーテンが解き放たれ、窓の外に広がる庭園の鮮やかな緑を楽しめます。優雅な邸宅の住人になった気分を味わえます。
本展で本館内はすべて撮影可(新館の一部展示を除き)。ステキと感じた空間や室内装飾をスマホに収めておけばいつでも思い出すことができますね。
展覧会の副題は「アール・デコの貴重書」。都庭園美術館が所蔵する1925年にパリで開かれた「アール・デコ博覧会」などフランスの装飾美術に関する雑誌や書籍、写真など200点以上を展示。朝香宮妃の部屋にはファション雑誌、子供部屋には絵本と、資料が置かれた場所にも注目です。


1920-30年代を中心にさまざまな貴重な資料が並ぶ中、歴史的に面白いと感じたのが、朝香宮家がパリにいたときの支出がわかる資料「受領證綴」(大正11-14年)。
エルメス社から狩猟用の鞭などを購入した記録も。鞭の金額は1800フラン。当時の円では180円くらいとのこと。現代の価格だといくらでしょうか?

なかなか現代の価格に換算するのが難しいのですが、ちょうど芸術新潮5月号で、三浦篤さんの連載「大人のための印象派講座」の「モネの絵はいくらだったのか」の中に、モネの年収として「1912年には前述のように年収36万9000フラン(3億6900万円!)に達するのである」という記述がありました。この計算によれば、エルメスの鞭の値段は1本180万円となりますね。
大正時代の豪華な暮らしを”体験”しながら、アール・デコの歴史を知ることができる展覧会です。近くのホテル雅叙園東京で6月12日まで開催中の「大正ロマン×百段階段」と合わせて楽しむのもオススメです。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)