極彩色の花の生命力に心が沸き立つ「富山県美術館開館5周年記念 蜷川実花展」5月15日まで

正面には富山のチューリップも

 

富山県美術館開館5周年記念 蜷川実花展
会場:富山県美術館(富山市木場町3-20)
会期:2022 年3 月19 日(土)~5 月15 日(日)
開館時間:9時30分~18時(入館は17時30分まで)
休館日:毎週水曜日(ただし4月28日~5月10日は無休)
入場料:一般 1,400 円 、大学生1,000 円、高校生 以下無料
詳しくは同館サイト

現代日本を代表する写真家で映画監督の蜷川実花さんの展覧会で、富山県美術館のオープン5周年を記念して5月15日まで行われています。 

《earthly flowers, heavenly colors》から

第1章は2003年~17年にかけて出版された10の写真集から代表作を紹介しています。

《Acid Bloom》より

 03年に出版された《Acid Bloom》は、花に接近して撮影することで生まれる色彩の揺れや、普段目にすることができない形態など、日常にある未知な世界を、蜷川さんらしい切り口で見せています。色彩豊かな作品には一切、色の編集を行わず、デジタルではなくフィルムで撮影したそうです。自然な色だからこそ、生命力に満ち溢れた植物が見る人に感動を与えるのでしょう。

《永遠の花》から

《永遠の花》はメキシコの墓地で見た、死者に手向けられた造花をきっかけに撮影したシリーズで、06年に出版されました。造花ならではの、艶やかな色彩が画面に大胆に置かれています。今回は、大きな作品の上に、小品をいくつも配置して展示しています。

正面には富山のチューリップも

第2章は2021年以降の新作です。鮮やかな花の写真に4面囲まれた展示は、撮影スポットとしても人気です。正面のチューリップは富山県で撮影されました。富山はチューリップの球根出荷量が日本一です。

グラデーションが美しい藤

コロナ禍の影響で、国内、近場での撮影も多かったそうですが、藤の花も蜷川さんらしく美しいグラデーションです。

初公開のインスタレーション
LEDスクリーンの下には鏡面があり幻想的な雰囲気を醸し出す

最後の章は、初公開のインスタレーションです。一番奥に横18㍍のLEDスクリーン、その前に5面の透過幕を置き、約15分間で四季の花を映します。ムービーは一眼レフカメラで撮影されており、蜷川さんがファインダー越しに写真を撮影するアングルが追体験できそうです。LEDスクリーンの下は鏡面になっていて、幻想的な雰囲気も醸し出しています。

 富山はここ2年間は積雪も多く冬が厳しかったので、美術館側から春らしいものの展示を希望したといいます。多くの作品は色鮮やで生命力にあふれており、見た後は何か元気をもらえる気がしました。(読売新聞美術展ナビ編集班 若水浩)

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