【開幕】「篠田桃紅展」東京オペラシティ アートギャラリーで6月22日まで

左は《祭り(後)/祭の後》2000、右は《熱望》2001

篠田桃紅展
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2022年4月16日(土)~6月22日(水)
休館日:月曜日(5月2日は開館)
開館時間:11時~19時(入場は18時30分まで)
入場料:一般1200円、大学・高校生800円、中学生以下無料
詳しくは展覧会公式サイト

前衛書から墨彩による独自な抽象表現の世界を切り拓いた篠田桃紅。昨年3月に107歳で逝去した書家で美術家の70年以上にわたる創作活動の全貌を、約130点の作品・資料とともに紹介する企画展の開幕前日に行われたプレス内覧会に伺いました。

大連(中国)に生まれた桃紅は、東京で書家として活動を始め、1956年に単身渡米しました。米国各地やパリで個展を成功させ、日本の前衛書と欧米の抽象芸術を融合した作風は高く評価されました。

58年に帰国後は、書と絵画、文字と形象という二分法に捕らわれない独自の抽象表現、空間表現を確立。寺院や劇場の壁画・緞帳なども制作しました。

1979年に随筆集「墨いろ」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞するなど名文家としても知られ、著書「一〇三歳になってわかったこと」は幅広い年代から支持されました。

《音》1952-54

初期作品からは、徹底して文字と向き合うことで、逆に文字の制約から離れ、自由な「かたち」の創出に向かって行った歩みがたどれます。

《遠つ代》1964頃

渡米後は、張りのある太い線や面の構成による純粋な抽象表現にたどり着きます。

《火》1981
《火》1988

抽象表現は「自由なようでいて、内的な制約は強い」と考えていた桃紅。単なる無秩序か、空疎な形式に堕しないよう、造形上のひとつのモチーフを徹底して探求する連作を生み出していきました。

左は《暁》2007、右は《昏》2007

書の世界からは「書の人ではない」、美術の世界からは「書の人だから」と言われたという孤高の作家の長きにわたる活動を振り返ることができる絶好の機会です。(読売新聞美術展ナビ編集班 若水浩)

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