平成筑豊鉄道・油須原駅舎を開業当時の姿に 産学官連携で明治の雰囲気を演出

駅舎の外壁に移された掲示板。照明は温かみのある電球色に

平成筑豊鉄道(本社・福岡県福智町)は、無人駅・油須原駅(赤村)の木造平屋駅舎を1895年(明治28年)の開業時の姿に近づける復元改修を行いました。西日本工業大学(苅田町)、赤村との産学官連携で取り組み、研究や地域交流の拠点としても活用することにしています。

沿線で”最古”の駅

油須原駅舎は明治期のたたずまいが鉄道ファンらの人気を呼び、ドラマのロケ地にも選ばれました。平成筑豊鉄道によると、駅舎は約80平方メートル。完成時期に関する記録はありませんが、資料に基づき、開業当時の外観を残す沿線で最古の駅舎と判断しています。

待合スペースに隣接して整備されたギャラリー

鉄道遺産としての魅力をアピールし、駅利用客の増加につなげようと、昨年12月に復元改修に着手。西日本工大の石垣たかし教授の監修で、資料に沿って窓を上げ下げ式に交換したり、掲示板を駅舎の外壁に移したりしました。また、照明を白色の蛍光灯から温かみのある電球色に取り換えるなど、往時の雰囲気を演出しました。

壁面にオイルダンパーを設置した協働研究室

このほか、有人駅時代に単線区間での衝突事故を防ぐために使われていた「タブレット閉塞へいそく機」などが残る部屋を「鉄道作業体験室」として整備。イベントなどで開放し、閉塞機の使用体験もできるようにします。

にぎわいの拠点に

改修費は580万円で、半分を観光庁の補助で賄いました。改修工事を通じて切符販売窓口の区域が判明し、今後はこれに沿った復元も目指します。駅舎では2月10日に関係者が出席して「完成式」、14日には大学生が企画したイベント「へいちくカフェ」が開かれ、地元住民らでにぎわいました。

待合スペースで開かれた完成式

同大の片山憲一学長は「幅広い学生をフィールドワークに加えたい。観光客を呼び込む要素を大学の知恵でつなぎ、沿線活性化の成功体験にしたい」と話していました。同鉄道の河合賢一社長は「パブリック(公的)な機関との提携を通じ、油須原駅を鉄道文化の発信拠点にしていきたい」と期待を込めました。

「へいちくカフェ」で駅舎(右奥)を背景に並ぶ露店

(読売新聞西部本社筑豊支局田川駐在・興膳邦央)
福岡ふかぼりメディア「ささっとー」(3月22日公開)の記事を再掲。

新着情報をもっと見る