【羽生結弦展2022情報】田中宣明さん×能登直さん対談② 「愛を抱きしめる」、「非の打ちどころがない」田中さんの2枚

「羽生結弦展2022」にご出品いただくスポーツフォトグラファーの田中宣明さんと、写真家の能登直さんとの対談2回目をお届けします。今回は4年前の「羽生展」の反響のほか、スペースの都合で泣く泣く会場展示ができなかった田中さんの作品2点を、自らの解説付きでご紹介いたします。(司会・「羽生結弦展2022」担当)

田中「ファンの好きな写真が分かった」能登「意外な写真でいい反応が」

2018年に続いての会場での展示になりますが、前回は何か反響はありましたか?

田中「あとからファンのみなさんが好きな写真が分かりました。10枚出して、『あれが好きです』、『これがいいです』という報告がいっぱいあったんですよ。その後、講座で出しても、羽生展で見たことあると『田中さん、あの写真最高ですよ』とか言ってくれるんですよ。『これが好きなんだ』、『これね』っていうのが、すごく分かるようになって。(その後に)撮りやすいというか、『このシーンは押さえとかないと』と分かるようになって、とてもありがたい機会でした」

―能登さんはいかがですか?

能登「田中さんみたいに直接は聞いてないので()。講座で『羽生展に出した時の作品です』という時の反応は、確かに田中さんの言うように(反応の)大きい、小さいはあったかもしれませんね。ファンタジー・オン・アイスの写真で、跳んでて、光が月っぽく見える写真は、『あーっ!』となったり、意外にこの写真で反応もらえるんだというのはあったと思いますね」

―あの作品は良かったですね

田中「そもそも、5枚とか10枚とか選ぶの大変でしたよね。きついっすよ」

能登「()

―田中さん、最初何枚出していただきましたっけ?

田中「20枚ぐらい出しましたよね(実際は24枚)。そのなかで頑張っても10枚だったのよ。それ以上、選べないよって()

―こちらも、そこから絞るのは、かなり悩みましたね

田中「そうか、これダメか、これ出したいなとかあったけどね。ただ、そうそう写真展なんて開催することできないですからねぇ」

―能登さんの候補は何枚ぐらいでしたっけ?

能登「1516枚ですかね(実際は19枚)。担当さんから、若い時の写真を含めてほしいと言われていました」

能登「写真を★で分けています」、田中「ファンの反応いい写真は覚えてます」

田中「頭のなかで、いい写真というのはセレクトされてるの?」

能登「昔の写真は年ごとに★で分けてあるんですよ」

―今回は★★★ですか?

能登「5つ★まであるんで()

―おーっ! ありがとうございます

田中「自分は★で分けるとかできないタイプ。あそこに何があったとか思い出せないから、講座とかでみんなから『あれがいいです』とか『これが好きでした』というのを覚えていて、ピンポイントでそこを選びに行って集めました。あとは自分がアイスショーとかで印象に残ったところを拾い集めてきて20枚ぐらいにしたんだけど。そうじゃないと選べなくなって、全部見ないといけなくなっちゃう。あとから見て、これ良かったかもって、時々あるよね」

能登「はい」

田中「何年か前に選んだ自分と、今の自分が変わってきているところがあるから、今見ると『あー、なんだ!』ということもあるんで、本当は見た方がいいと思う。だけど、印象深い、見せたいっていうのは、頭に入っているのを選んでるから。

どちらかというと練習着とかの方が多いですね。なぜかというと練習中の方が、ゆづの顔が、表情が色々出てくるじゃないですか。(ファンの方は)色々なところで、色々なの見てますからね。みんながあまり見たことないという写真を出してあげたいなぁという基準があった。『こんな結弦君がいるんだ』、『こんなゆづの表情があるんだ』というセレクトになってますね」

―能登さんは、こちらの指定もありましたが

能登「古いものでも、今回選ばれていなかったですけど、2012年の『花になれ』の振り付けで撮った写真とか、2014年ソチ五輪の1か月前に仙台で撮らせてもらったものとか、あまり世に出ていないものを選んだんですが…」

―むむむ(汗)。ところで、お2人とも羽生選手と関わって、人生変わりましたよね

田中「講座でも言いましたけれど、人生変わりましたよね。一介のカメラマンなのにね。まず、スポーツで写真集出す人いないんですよ。このご時世で、スポーツの分野で写真集を出せるなんて奇跡のようなものです。ゆづが、私たちに写真集を出せる機会を作ってくれたんですからね。見せる場所を作ってくれないと、カメラマンの存在意義がないじゃないですか。この業界のカメラマンはみんな喜んでると思いますよ。見られてなんぼなんですよ、どう思われるかは別にしてね。ありがたいことですよ」

―能登さんは元々、商業カメラマンでした

能登「今や半分以上、フィギュアカメラマンです」

田中「半分以上? 7割ぐらいじゃない? 僕たちはフィギュアの中にいて、ゆづが来たけど、能登さんはゆづを見つけて始めたからね。僕なんか申し訳ないですよ。後から来て、ゆづを追いかけている感じだから。能登さんだからね! 最初に追いかけたの」

能登「そういう感覚はあまりないですけどね()。たまたまです」

 田中「みんなの愛を抱きしめている」

―では、せっかくの機会なので、今回飾れなかった作品から2点ずつ、この場で紹介させていただきたいと思います。新型コロナウイルス感染対策で、展示スペースが密にならないように点数を減らさざるをえませんでした(涙)

田中「まず最初は、2018年のファンタジー・オン・アイスの写真です。フィナーレ終わりで、僕はバックヤードにいました。

ゆづの登場が最後で、さらに続けてやるから。フィナーレも人一倍一生懸命でしょう。だからヘロヘロ。その状態で帰ってきているところで、こっちから『あれして、これして』って頼めないんですよ。ほかの選手なら続いて登場してないから、ちょっと止まってもらって、笑顔をもらったりするんだけど、ゆづに関しては、そこでは止められないんですよ。

彼の意思で止まるか、通り過ぎるか任せているんだけれど、この時は、自分からこうやってくれたんですよ。自分は初めて見たシーンで、何をしてるのか、ちょっと分からないけれど、こんなシーンあったかなと思って。みんなファンの方、見たことないから、これちょっと使いたいと思ってたんですよ。これ大判だったら本人より大きく見られるじゃないですか。だから、いいかと思ったんだけどなー」

ー(汗)

田中「みんなの愛を抱きしめているとか、そんな感じかと思ってました。公演終わりで、みんなに見てもらって、拍手もらって、ありがとうって、やっているのかなと。みんなの愛をもらって、というポーズなのかなと、ちょっと思いました。それをゆづが表現しているなら、ゆづが『ありがとう』って、みんなに言ってるよと披露してあげたいなと思ったのです。残念ながら選ばれませんでしたが(笑)」

田中「非の打ちどころなのないスタイル」

田中「次は2019年のトリノのグランプリ(GP)ファイナルのOriginですね」

能登「田中さんの横で撮ってます。私は縦位置です」

田中「これトリミングしてないんですけど。ビタビタにはまったんですよ」

能登「これがすごいんですよ!」

田中「たまたまです。(ギリギリで)危ないんですよ、本当に」

能登「田中さん多いんですよ、ノートリミングでビタビタ」

田中「イナバウアーなので、そこそこ撮れると思うんですよ。カメラ振っていけば。(ギリギリで)危ない、危ないって、撮ってすぐに確認したぐらいですよ。今のカメラ偉いんで、顔にきちんとピントが来てるので、使えると思って。これは単純に、ゆづのスタイル、形。これは非の打ちどころがないですよ。ラインから指先から、これは大判で見せたら相当だったなー」

能登「ファンは、これ大きく見られないんですか、ってねー(笑)」

田中「ファンは釘付けになりますよ。『あーっ!』て言って。これがいいのは、筋肉の力が入っているところが見えるからね。イーグルだとそこまでは、筋肉が盛り上がらないと思うけど。イナバウアーは踏ん張りもあるし、反っているから筋肉が出て見ごたえがある。ただ、(今回展示される)「クリスタルメモリーズ」の角度も普通じゃないんで、ゆづのスケートのスキルがさらに進化しているというのは、あちらの方が分かりやすいんで《正解》だと思います」

―ですよねー!

田中「だけど、絵としては、大きいので見たかったなぁーと()

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