永井紗耶子さん注目の新作「女人入眼」 “鎌倉幕府最大の失策” 大姫入内を描く

時代小説の分野で注目を集め、「美術展ナビ」にも展覧会の模様などを寄稿してくださっている小説家・永井紗耶子さんの最新刊「女人入眼」(中央公論新社)が上梓されました。今、注目の鎌倉幕府と朝廷をめぐる様々な政治的駆け引きと、その中で運命を自ら切り開き、あるいは翻弄された女性たちの物語です。テーマは源頼朝と北条政子の間に生まれ、夭逝した大姫(おおひめ)の悲劇です。

「女人入眼」

「大仏は眼が入って初めて仏となるのです。男たちが戦で彫り上げた国の形に、玉眼を入れるのは、女人であろうと私は思うのですよ」。建久六年(1195年)。京の六条殿に仕える女房・周子は、宮中掌握の一手として、源頼朝と北条政子の娘・大姫を入内させるという命を受けて鎌倉へ入る。気鬱の病を抱え、繊細な心を持つ大姫と、大きな野望を抱き、それゆえ娘への強い圧力となる政子。二人のことを探る周子が辿り着いた、母子の間に横たわる悲しき過去とは――。「鎌倉幕府最大の失策」と呼ばれる謎多き事件・大姫入内。その背後には、政治の実権をめぐる女たちの戦いと、わかり合えない母と娘の物語があった。
新著について永井さんは「鎌倉初期は、北条政子のみならず様々な女性たちが『妻として』『母として』だけではなく、自らの智略や財を駆使して、権力の中枢にいました。一方で、強い彼女たちの野心に振り回され、嘆く人々もいました。源頼朝と北条政子の娘、大姫の『入内』を巡り見えてくる女人たちの生き様を、物語を通して御覧いただければ幸いです」と話していました。

「女人入眼」データ
  • 初版刊行日2022/4/7
  • 判型四六判
  • ページ数312ページ
  • 定価1870円(10%税込)
  • ISBNコードISBN978-4-12-005522-5

購入は書店か中央公論新社のHPから各ネット書店で。

永井紗耶子さん:小説家 慶應義塾大学文学部卒。新聞記者を経てフリライターとなり、新聞、雑誌などで執筆。日本画も手掛ける。2010年、「絡繰り心中」で第11回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。著書に『商う狼』『大奥づとめ』(新潮社)、『横濱王』(小学館)など。第40回新田次郎文学賞、第十回本屋が選ぶ時代小説大賞、第3回細谷正充賞を受賞。4月上旬に新刊『女人入眼』(中央公論新社)

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