東京国立博物館の創立150年記念イヤーが始動! 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」や特集「未来の国宝」 毎月の「キッズデー」も

東京国立博物館 創立150年記念のキービジュアル(右)とロゴマーク(左)

東京国立博物館が2022年3月に創立150周年を迎え、4月1日から「創立150年記念イヤー」が始まりました。さまざまな記念の展覧会やイベント、グッズ情報などを網羅する特設サイトも4月1日に更新されました。

1935年頃、建設中の本館

記念イヤーの最注目は、狩野永徳から埴輪まで所蔵する国宝89件すべてを展示する特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」(10月18日~12月11日/会期中、一部展示替えあり)です。
東博史上初の試みである特別展に展示される国宝の一部を紹介します(いずれも展示期間未定)。

国宝 檜図屛風  狩野永徳筆 東京国立博物館蔵 安土桃山時代・天正18年(1590)
国宝 埴輪 挂甲の武人  東京国立博物館蔵 群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀
国宝 太刀 銘 三条(名物 三日月宗近) 東京国立博物館蔵 渡邊誠一郎氏寄贈 平安時代・10~12世紀
国宝 鷹見泉石像 渡辺崋山筆 東京国立博物館蔵 江戸時代・天保8年(1837)

 

国宝 松林図屛風 長谷川等伯筆 東京国立博物館蔵 安土桃山時代・16世紀

等伯の「松林図屛風」はお正月に展示されるのが恒例で、毎年のお正月の予定に組み込んでいる方も多いでしょう。そこはご安心を。来年(2023年)も1月2日~1月15日まで本館7室で展示されます。(特別展での展示期間は未定。)

また、特別展では、東博の150年の歩みを物語る美術品や資料も展示されます(いずれも展示期間未定)。

重要文化財 鷲置物 鈴木長吉作 東京国立博物館蔵 シカゴ・コロンブス世界博覧会事務局寄贈 明治25年(1892) 展示期間未定
古今珎物集覧 一曜斎国輝筆 東京国立博物館蔵 明治5年(1872) 展示期間未定
上野博物館遠景之図 J. コンドル筆 東京国立博物館蔵 明治時代・19世紀 展示期間未定

国宝室には「未来の国宝」

では、本館2階の国宝室(2室)にはなにが展示されるでしょうか?

4月から国宝室では、特集「未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―」として、国宝や重要文化財ではない、研究員いち押しの作品を紹介していきます。
その第1弾は、菱川師宣「見返り美人図」(4月12日~5月8日)。

見返り美人図 菱川師宣筆 東京国立博物館蔵 江戸時代・17世紀 本館2室(国宝室)にて4月12日~5月8日まで展示

また、本館14室では特集「東南アジアのやきもの―収集と研究の軌跡―」(3月23日 ~ 5月15日)、本館特別1室・特別2室で特集「東京国立博物館の近世仏画 ―伝統と変奏ー」(4月5日 ~5月29日)、平成館企画展示室で特集「時代を語る洋画たちー東京国立博物館の隠れた洋画コレクション」(6月7日~7月18日)が開かれるなど、館内で150年記念の多彩な展示が繰り広げられます。

重要美術品 紅安南唐草文茶碗 東京国立博物館蔵 ベトナム 16世紀 本館14室で開催の特集「東南アジアのやきもの―収集と研究の軌跡―」にて 5月15日まで展示
当麻曼陀羅図(部分) 神田宗庭隆信筆 東京国立博物館蔵 喜多川儀久氏寄贈  江戸時代・天保7年(1836) 本館特別1室・特別2室で開催の特集「東京国立博物館の近世仏画 ―伝統と変奏ー」にて4月5日 ~5月29日まで展示
富士山腹帰樵 アルフレッド・パ-ソンズ筆 東京国立博物館蔵 明治25年(1892) 平成館企画展示室で開催の特集「時代を語る洋画たちー東京国立博物館の隠れた洋画コレクション」にて6月7日~7月18日まで展示

キッズデーは毎月開催

また、年に1回の開催だった「トーハクキッズデー」が月に1回(4月24日など毎月第4日曜日)に増えます。ぜひ親子で訪問して、未来の東博ファンを増やしていきませんか。
(読売新聞デジタルコンテンツ部 岡本公樹)