丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 ウクライナへの平和願い、グッズの一部収益を寄付 4月2日から「生誕120周年記念 猪熊弦一郎回顧展 美しいとは何か」を開催

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 撮影:増田好郎(無断転載禁止)

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県、MIMOCA)は、ウクライナの平和を願う取り組みを行うことを決めました。平和を願うメッセージの発信を行い、一部グッズの収益の寄付を実施します。丸亀市がウクライナや周辺国の人々に対する人道支援を行うことに合わせて、館としても姿勢を明確にしました。

<平和を願うメッセージ>は以下の通りです。

「世の中に美がわかる人を増やしたい。

そうすることで世の中が平和になると思う。

美がわかるひとは人の気持ちがわかる。

人の気持ちが分かる人が増えれば、戦争がなくなる。」

猪熊弦一郎(1991年)

MIMOCAは、“人々の美しさへの共感性を育てることで、世界の平和を実現する”という、画家・猪熊弦一郎の遺志に基づく活動を続けています。

いま、ウクライナでは、民間人を含む市民の生活と命が脅かされ、その姿に多くの人々が心を痛め、深く悲しんでいます。

また、子どもたちへの身体的、精神的被害も拡大しており、子どもたちのこれからの成長に計り知れない影響を与え、私たちの未来への大きな損失ともなります。

争いのない世界とウクライナの国旗に象徴される、美しく平和な景色や日常が1日も早く、取り戻されるよう心から願います。

一部グッズの収益寄付

ウクライナの国旗色の“黄と青”のグッズ『四角い目の鳥』をチャリティグッズとして販売します。収益はウクライナ人道支援を目的に日本赤十字社へ寄付します。

『四角い目の鳥』220円(税込)

使用作品:猪熊弦一郎《題名不明》年代不明

猪熊弦一郎回顧展が4月2日開幕

展覧会名:生誕120周年記念 猪熊弦一郎回顧展 美しいとは何か

On the 120th Anniversary of His Birth    Genichiro Inokuma “Beautiful”

会期:2022年4月2日(土)~7月3日(日)

会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市浜町、JR丸亀駅下車徒歩1分)

開館時間:10時~18時(入館は17時30分まで)

休館日:月曜日(5月2日は開館)

入館料:一般950円、大学生650円(常設展の観覧料含む)

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館のホームページ(https://www.mimoca.org/ja/

生誕120年の節目に合わせて、猪熊弦一郎の画業を回顧します。およそ70年の画業を通じて、一貫して「美」の表現を追求した猪熊。本展では猪熊が作品として生み出した多様な美と、美への思いを紹介します。「色」「形」「単純化」「バランス」といったキーワードや、猪熊が美について述べた言葉なども掲示し、美の探求の軌跡をたどります。

.猪熊弦一郎《二人の裸婦と一つの顔》1989年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵 ©️公益財団法人ミモカ美術振興財団(無断転載禁止)
.猪熊弦一郎《緑の中の美しき顔》1992年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵 ©️公益財団法人ミモカ美術振興財団(無断転載禁止)
猪熊弦一郎《手の残した言葉》1991年 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵 ©️公益財団法人ミモカ美術振興財団(無断転載禁止)

6月4日(土)、5日(日)は、「親子でMIMOCAの日」として、高校生以下または18歳未満の観覧者1名につき、同伴者2名まで観覧無料となります。

「世の中に美がわかる人を増やしたい。そうすることで世の中が平和になると思う。美がわかるひとは人の気持ちがわかる。人の気持ちが分かる人が増えれば、戦争がなくなる。」と信じた猪熊。展覧会を通じて、ひとりでも多くの方に「美」を追い求めたアーティストの思いに触れてほしいものです。

ゆったりとした時間がながれる丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の展示室 撮影:増田好郎(無断転載禁止)

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)