【プレビュー】「出会い」をテーマにした企画展、3期連続の第1期――「松岡コレクション めぐりあうものたちVol.1」 松岡美術館で4月26日から

松岡コレクション めぐりあうものたちVol.1
会場:松岡美術館(東京都港区白金台5-12-6)
会期:2022年4月26日(火)~7月24日(日)
休館日:月曜日、月曜が祝日の場合は開館し、翌火曜が休館
アクセス:東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線白金台駅1番出口から徒歩7分、JR目黒駅東口から徒歩15分
入館料:一般1200円、25歳以下500円、高校生以下、障害者手帳をお持ちの方無料など。
※最新情報は、同館HP(https://www.matsuoka-museum.jp/)で確認を。
※「企画展2 故きを温ねて」のみ6月7日(火)から前期後期の展示入れ替えあり

松岡美術館の創設者・松岡清次郎はオークションや公募展に足を運び、自らの琴線に触れる作品とめぐりあって約2400点のコレクションを収集した。今回の展覧会「めぐりあうものたち」は、そういう「出会い」がテーマだ。その第1期となる今回は、「企画展1 二色(ふたいろ)の美」、「企画展2 故(ふる)きを温(たず)ねて」、「《特別展示》中国青銅器 形と用途」の3パートで構成。館蔵品の中から、ツートーンカラーの中国陶磁、故事に由来する日本画を展示。さらに中国青銅器を形と用途に着目して紹介する。

《火焔青管耳方瓶》「大清乾隆年製」銘 景徳鎮窯
《青花龍唐草文天球瓶》 明時代 永徳期 景徳鎮窯

「企画展1 二色の美」では、館蔵の中国陶磁コレクションの中から、磁州窯、景徳鎮窯の作品を中心に、二色のコントラストが鮮やかな器を選択。限られた色での多彩な表現とその変遷を紹介。さらに現在にまで受け継がれている色彩感覚や五行思想にも目を向ける。再開記念展で出品中の《青花龍唐草文天球瓶》も引き続き展示される。

真野満《後白河院と遊女乙前》昭和55年

「企画展2 故きを温ねて」で画題になっているのは、悠久の時を超えて今も記憶に残る人々、いつの世も変わらぬ願い。例えば歴史画の名手、真野満が院展で内閣総理大臣賞を受賞した《後白河院と遊女乙前》。「後白河法皇は芸術に造詣深く、仏教にも厚い方であった。遊女乙前を師と仰ぎ『梁塵秘抄』を完成されたが、その美しい人間関係を新しい歴史画として表してみたかった」と真野はその創作について語っている。竹内栖鳳と並び「京都画壇の雄」と言われた山元春挙。その《萬代不易図》で題名となっている「萬代不易」という言葉は、古代中国の兵法書「六韜」の中にある言葉で「永久不変」という意味である。雄大な山岳風景になぜ、この題名を付けたのか。画業や人生に対する山元の思想がそこから見えてくる。

山元春挙《萬代不易図》大正5~大正6年頃 前期展示
酒井抱一《相生松・尉姥》江戸時代 後期展示

松岡コレクションの中で、中国青銅器は約20件と数こそあまり多くはないが、その半数以上が金文を持ち、資料的価値の高い作品も含まれる。《特別展示》として、その中国青銅器を3期に分けて一挙公開。第1弾の今回は、「形と用途」に注目し、入門的な内容で紹介する。

《史頌匜(ししょうい)》西周時代晩期

(読売新聞美術展ナビ編集班)