【開幕】激動の時代のユーモア 「吉例浮世絵大公開! 江戸の滑稽 ―幕末風刺画と大津絵― ~田河水泡コレクションを中心に~」(東京・町田市立国際版画美術館)

浮世絵の戯画や風刺画、大津絵など約140点を展示する「吉例浮世絵大公開! 江戸の滑稽 ―幕末風刺画と大津絵― ~田河水泡コレクションを中心に~」が、町田市立国際版画美術館で開幕した。
浮世絵には屈託のない笑いから福徳への願い、世の中への不安や不満まで、人々の感情がユーモラスに描き表されたものが数多くある。本展は、そんなユーモアあふれる滑稽な表現を紹介するもの。漫画「のらくろ」の作者である田河水泡(1899~1989)が、滑稽研究のため蒐集した多数の風刺画や戯画コレクションを中心に展示されている。同コレクションは晩年を過ごした町田市に寄贈され、同館が所蔵している。
混乱の時代をユーモアで乗り切ろうとする風刺画から、素朴な滑稽さが魅力の大津絵まで、想像力あふれる表現は、当時の庶民の本音が垣間見える。作品を通して、幕末から明治にわたる激動の時代の世相を紐解いていく。
変幻自在な表現でファンの多い歌川国芳をはじめ、歌川広重、河鍋暁斎、月岡芳年、小林清親といった現代でも人気の絵師らの作品が並ぶ。
また、桜の開花シーズンにあわせた企画展となっており、隣接の芹ヶ谷公園の桜とあわせて楽しめる。4月10日まで。
【開催概要】
展覧会名:吉例浮世絵大公開! 江戸の滑稽 ―幕末風刺画と大津絵― ~田河水泡コレクションを中心に~
会期:2022年3月12日(土)~4月10日(日)
会場:町田市立国際版画美術館(東京都町田市、小田急線・JR横浜線「町田」駅から徒歩約15分、町田バスセンターからバス)
休館日:月曜日、3月22日(火)※ただし3月21日(月・祝)は開館
開館時間:平日は午前10時~午後5時、土日祝は午前10時~午後5時30分
※入場は30分前まで
観覧料:一般800円、大学・高校生400円 ※中学生以下無料
町田市立国際版画美術館のホームページ(http://hanga-museum.jp/)