東京都庭園美術館、年に1度のお楽しみ 「建物公開2022 アール・デコの貴重書」展 4月23日開幕

庭園美術館の風物詩、年に一度の建物公開展です。 本館と新館にアール・デコ期の書籍や雑誌等を配して装飾性豊かなアール・デコの世界を紹介。 旧朝香宮邸の建物自体もじっくり鑑賞できます。会期中は本館内での写真撮影が可能です。

展覧会名:建物公開2022 アール・デコの貴重書
Looking at Architecture 2022  Encounters with Art Deco Books
会期:2022年4月23日(土)~6月12日(日)
会館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
会場:東京都庭園美術館 本館+新館(東京都港区白金台、JR山手線、東急目黒線「目黒」駅から徒歩約7分、都営三田線、東京メトロ南北線「白金台」駅から徒歩約6分)
休館日:月曜日
観覧料:一般 1,000円/大学生(専修・各種専門学校含む) 800円/中・高校生 500円/65歳以上 500円

※本展は日時指定の予約制です

展覧会ウェブサイト(https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/220423-0612_EncountersWithArtDecoBooks.html

庭園美術館の本館は1933年に竣工した旧朝香宮邸です。1920年代の滞欧中、 朝香宮夫妻は当時全盛期だったアール・デコの様式美に魅せられ、 帰国しました。 そしてこの白金の地に自邸を建設するに当たり、 主要な部屋の内装設計をフランスの室内装飾家アンリ・ラパンに依頼し、 ルネ・ラリックをはじめとしたデザイナーが参加するなど、 フランス直輸入のアール・デコ様式を取り入れた邸宅が誕生しました。 現在は美術館として活用されていますが、 内部の改造は僅かにとどめ、 竣工時の様態を色濃く今に伝えます。

そうした背景から、同館ではフランスの装飾美術に関する書籍や雑誌や、 1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料等を所蔵しており、今回はアール・デコ期の貴重書を中心に、 本館と新館それぞれに展示します。 華やかなショーウインドウの写真集、 博覧会やインテリアの特集雑誌、 色鮮やかに表現された絵本など、 当時の貴重書を通して装飾性豊かなアール・デコの世界へと誘います。

『20世紀近代装飾芸術百科事典』1927年、 東京都庭園美術館蔵
『近代装飾芸術年鑑』1924年、 東京都庭園美術館蔵

本館では窓のカーテンを開け放ち、自然の光を感じる空間で、 家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示を楽しめます。 会期中の4月~6月は新緑が心地よく、庭園の緑も含めて建物鑑賞には絶好のシーズンといえるでしょう。

(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)