【プレビュー】重要文化財「日新除魔図」全219枚を本邦初公開 特別展「北斎」 九州国立博物館で4月16日開幕

展覧会名:特別展「北斎」
会期:2022年4月16日(土)~6月12日(日)
会場:九州国立博物館(福岡県太宰府市、西鉄太宰府駅から徒歩約10分)
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(5月2日は開館)
料金:一般1800円(1600円)、高大生1000円(800円)、小中生600円(400円)※()内前売り料金
九州国立博物館の展覧会ホームページ(https://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s64.html)
世界で最も有名な日本の画家、葛飾北斎(1760~1849)。近年、新たに所蔵品となった重要文化財の作品を中心に北斎の名品を紹介します。特に晩年の肉筆画にスポットが当てられています。
「日新除魔図」を日本初の全作公開
80歳を過ぎ、病や火災、借金などの苦難を経験した北斎。数え年83歳から84歳の時期に毎朝、魔よけのために描き続けた獅子を集めた大作が重要文化財の「日新除魔図」です。2017年に同館に寄贈されました。以前は個人蔵だったため公にされる機会が少なく、寄贈後も同館のみで一部が紹介されてきました。今回はその全219枚を一般公開する初めての機会です。




会期中、同館所蔵の「日新除魔図」はすべて写真撮影できます。初めてまとめて見られる北斎晩年の作品をカメラにおさめてみてはいかがでしょう。日付もついているので、自分や家族の誕生日、記念日などを探してみるのも楽しそうです。なお、作品のうち、彩色のある1枚(9月12日)のみ、前期=4月16日(土)~5月15日(日)の展示、そのほかの218枚は通期展示です。
小布施の天井絵も九州初公開
祭屋台の天井絵「龍図・鳳凰図」が通期展示で特別公開されます。長野県・小布施町に伝わるこの肉筆画は、北斎晩年の最重要作とされます。九州では初公開です。


おなじみの名作もしっかり


肉筆の美人画なども





海外へ伝播した北斎のアート
北斎から影響を受けたジャポニスムの作品も展示。その広がりを追います。


生誕260年の節目以降、毎年のように各地で大規模展が続く北斎。常に新しい切り口が出てくるところに、北斎のスケールの大きさ、芸の奥深さを感じさせます。今展も見逃せません。
(読売新聞美術展ナビ編集班 岡部匡志)